連邦政府が行う飲料水の試験で、ハワイは過去3年間、飲料水の中にある鉛が、全米で唯一、国の基準の上限を超えなかった州であることがわかった。 保健省は、ハワイが多くの火山土に恵まれていることと、鉛製のパイプが少ないことが理由である、と公式に述べた。
ハワイ州保健省の安全飲料水課課長のジョアンナ・セト氏は、「私たちはとても恵まれています。最も大きな理由は、私たちの飲料システムは鉛パイプからではなく、ほとんど地下水からであることです」と語った。米環境保護代理店が出した鉛含有量の分析で、この過去3年間、連邦政府が提示する鉛の含有量の上限を超えていないエリアは、ハワイとワシントンDCだけであることが判明した。
ハワイ保健・水道課関係者は、豊富な地下水、少ない工業汚染、鉛を含まない素材で作られたパイプなど複数の要素が、ハワイの水道水の水質を保っていると話す。
全米では、2013年1月1日から2015年9月30日までの間で、360万人に届けられる1400箇所の水道システムが、連邦政府が出す鉛の基準を超えていることが判明。これらのうち275以上のシステムが、学校やデイケアー施設に送られるものであり、全米で最も、危険を及ぼすものであると言われている。 鉛の含有量がないことが安全とみなされており、連邦政府の規制では、10億分の15パーツ以下のレベルに水道システムを保つことが求められている。
鉛は、子供の脳の発達にダメージを与え、問題行動を起こしたり、成人しても病気の原因になる可能性がある。 ハワイは良い追跡記録が残っているにも関わらず、島の数カ所で、連邦政府が提示する上限以下ではあるが、鉛が含まれていると結果が出た。例えば、最近の飲料水テストでは、オアフ島のマリン・コープス・ベース・ハワイやネイベル・マガジン・ルアルアレイで10億分の8パーツ以上という数値が出た。 セト氏は、過去10年間で、10億分の15パーツの上限を超えたのは6つの水道システムだけであると話した。 マウイ島、カウアイ島、オアフ島、ハワイ島の群の水道課職員は、ハワイ州の水道は、多くの主要水道システムが、鉛のパイプを使用していないので、他の地域より水質が良いと語る。
「私たちのシステムに鉛のパイプがあるという記録は見つかっていません」とホノルル水道局の水資質課のアーウィン・カワタ氏は語った。
カワタ氏は、ハワイの地下水は酸性ではないので、金属製のパイプが腐食する可能性も低いことを付け加えた。さらにハワイの多くの水源は、何年にもわたって溶岩によって地下で濾過されている帯水層からきており、汚染にさらされる可能性の高い河川の表面水とは異なる、と彼は語った。
例えば、ミシガン州フリントで現在も進行中の危機は、2014年4月に、デトロイト水道システムからフリント川に移行するという決断が下された後、住人は何ヶ月もの間、水道水がない生活を強いられた。昨秋に行われた試験では、フリントに住む子供達の血液中の鉛のレベルが、水道システム移行後、上昇しているのがわかった。
ハワイでは豊富な地下水から多くの水を得られていることに、「私たちは本当に恵まれています。自然が私たちに与えてくれているのです」とカワタ氏は語った。