このコラムでは、学校に通うお子さまを持つ親が、知っておくと便利なこと、ためになることをお伝えしていきます。第3回は「チャータースクールについて」です。
お子さまを学校に通わせる際、選ぶのは私立、公立の2つが主。ですが日本にはない公立校“チャータースクール”というのをご存じですか。これは国や州の規定にとらわれない、特色ある教育を行う公立学校で、自由にカリキュラムを組み、民間に運営を委託されている学校になります。
州の公費による運営
チャータースクールはハワイ州から学校運営の資金を与えられ、学校側で自由に予算やカリキュラムを組むことができる公立学校。運営は教師のグループ、コミュニティ、大学、財団、企業や宗教団体などさまざまです。授業料は一般の公立学校同様にかかりません。学校の規模は大きくなく、受け入れの生徒数に限りがあり、入学は狭き門と言われています。入学チャンスはキンダーガーテン、6年生、9年生の3回のみ。通常の公立校は学区制ですが、チャータースクールは通うことができますので、先週お知らせしたGEと同じ越境入学が可能です。
試験なしで入学。応募者多数の場合は抽選で決まる
授業内容は独特で、私立校や大学進学のための特別カリキュラムを用意したり、アートとアカデミックに力を入れていたり、モンテソーリ教育を採用したりと、各校、オリジナリティにあふれています。チャータースクールは公立学校のため、誰でも入学可能。私立学校のようにテスト結果や面接、宗教、支払い能力等によって生徒を選別することは許されません。入学希望者が募集人数を上回る場合、抽選によって入学者を絞ります。
懸念点も
チャータースクールは、州や学区の法令・規則の適用が免除されるため、独自の理念・方針に基づく教育を提供している一方、学校の教育的成果を定期的にハワイ州公立チャータースクール委員会によって評価され、一定の成果を挙げなければ、チャーター資格を取り消されることもある。そうなると、生徒が受けていた独創的な教育が中断されてしまう可能性があるわけです。教師は資格を持っている人ばかりではないのも特徴です。
長所
○独自の理念・方針に基づく教育の実現
○少人数性によるきめ細かな指導
○独自性
批判・問題点
○教育の質の低下や教育機会の均等への悪影響
○人種分離の可能性
○学校評価の不徹底による学力向上への貢献に対する疑問
チャータースクールに対する評価はどのように決まる?
ハワイ州教育局は州内の公立校・チャータースクールに対し、“ストライブHI”という方式で、毎年評価しています。
各校のホームページに理念などがあります。それぞれの特長をつかみ、お子さまに合うかどうかなど、独自に調べることが求められます。
ハワイ州のチャータースクールについての問い合わせは、
State Public Charter School Commission https://www.chartercommission.hawaii.gov/ [email protected] 電話:808-586-3775
オアフ島チャータースクール・リスト
(取材・文 鶴丸貴敏)
(日刊サン 2019.12.06)