ホノルル市議会ゾーニング委員会は10月24日、プリンセス・カイウラニ・ホテルを取り壊し、全室ホテルの高層ビルに建て替える計画を、条件付きで認可することを推薦すると決定した。
市の建設認可取得に大きく前進した。条件とは、2010年に合意した内容に加え、50万ドルを近隣地域に寄付すること。
2010年時点の計画は、同ホテルのアイナハウ・タワーの再開発とホテル・コンド・コンドテルのタワーを建設するもの。この計画認可のために、ホテルを所有する京屋はワイキキ・ビーチの砂を補充するための50万ドルの拠出、地域社会への貢献策にすでに合意していた。
同プロジェクトを監督する市計画・認可証発行局(DPP)は、京屋に全室ホテルプロジェクトについての追加環境影響声明書を要求していないが、DPPの推す地域社会への貢献案の内容は2010年時点のものよりはるかに大きなものとなっている。
京屋にとって過去最大の投資となるこのプロジェクトは、4.1エーカーの敷地に約1,009室を持つ33階建てのタワーを建設するもの。市の最終認可を得るために、高度・容積率制限等を緩和するための計画開発リゾート(PD-R)認可を取得する必要があり、そのための近隣地域への貢献策を示す必要がある。地域社会への貢献策の最大のものは、50万ドルをホームレス支援専門機関に拠出するものであるが、ワイキキ近隣委員会は、その使途について何も聞かされていないとして反対している。
同プロジェクトの承認権限を持つホノルル市議会は、10月24日のゾーニング委員会の推薦決定に続き、PD-R申請についての本会議での審議を行い、早ければ11月6日までに決議を行う予定。本会議可決後は、ワイキキ特別地区認可の取得が必要となる。その取得は容易ではないが、24日の委員会聴聞から判断するに、反対の可能性は低いと見られる。
京屋は1963年、プリンセス・カイウラニ・ホテルとモアナ・ホテルを買収し、ハワイに進出した。1970年代には、シェラトン・マウイ、シェラトン・ワイキキ、ロイヤル・ハワイアン・ホテルを傘下に加え、1987年以来、プリンセス・カイウラニを除くすべてのホテルの大幅改修を行った。
京屋によると、プリンセス・カイウラニの解体は2022年に始まり、新タワーの完成は2025年の予定。このプロジェクトは、毎年1,800人の直接・間接雇用を創り、新ホテル・オープン後はフル・パートタイム合わせて約1,300人の雇用を生むと予想されている。
全室ホテルの建設はハレクラニが1987年にワイキキ・パーク・ホテル(現ハレプナ)を建設して以来となる。
(日刊サン 2019.11.2)