日刊サンWEB

過去記事サイト

アロハ! 田中徹也です。今回も日本の不動産売却についてのノウハウをお話しします。  

 

不動産を売りに出す場合、必ず査定をおこないます。自分の物件がいくらで売れるのか? これは売る時に大事な情報です。  

 

不動産を査定する場合、日本では再建築した場合の価格から算出する方法も取られます。しかし現在ではハワイ、日本共に「過去に取引された近隣事例」を元に算出するのが主流。そして以下の違いがあります。  

 

ハワイでは不動産の取引があった場合、エージェントの多くが取引の情報をデータベースに登録しています。よって、数多くの取引事例がデータベースに存在しています。売値を決める場合、そのときの売り物件、過去の売却価格のデータなどをお見せして、「現在は、これくらいで売買されています」という説明をして、最終的には売主が売値を決めます  

 

そして、事例データが豊富なことで「売主」「買主」ともに、相場に納得がしやすい状況です。  

 

しかし、日本の場合は取引の結果をデータベースに登録することが義務化されていないため取引事例のデータが少ないのです。よって、査定をしようと調べても「築10年以上経ち、取引が過去にあったはずの物件でも事例がない」なんてことがあるのです。  

 

となると、どうやって価格を算出するかというと「売り出し当初の価格から経過年数をみて調整」したりするのです。  

 

では、それで売主買主両者が納得するような価格となるかというと…微妙。事例が乏しくデータが無いことで起こる弊害として査定額に「バラツキ」が出ます。  

 

事例が少ないので、どうしても査定が「想定」になっていきます。となると、数社に査定を依頼すると「その数社なりの査定額」が出るのです。時には1割、2割差が出ることも。これは問題で、売主の立場で考えれば、「A社は3,000万円って言ってるけど、B社は2,500万円って言っている。どっちが正しいのだろう?」悩んだところで事例もないので、納得も検討もしようがありません。  

 

あなたが売主であれば、ただただ混乱をするでしょう。なぜなら、「いい査定額」を聞いてしまえば、正しい査定額がもう少し下であっても「もっと高く売れるのではないか?」と間違った認識をしてしまうからです。  

 

ここがそもそも売却スタートでつまづくところです。しかし、日本の査定はこれが現状。  

 

では、そんな中でどうやって査定を依頼すればいいのかのノウハウを、次回はお話ししたいと思います。

 


田中徹也

株式会社ユービーエル 代表取締役

20年以上地元神戸で不動産仲介業務をおこなう。 全国を対象とした不動産売却のコンサルティングも行う。 ハワイ好きで、毎年ホノルルマラソンにも参加。

【メール】 [email protected]

【WEB】 https://www.e-ubl.co.jp/hj/


 

 

 

(日刊サン 2019.10.08)