8月のハワイ州の観光業は、訪問者数と訪問者支出とも前年同月を上回り好調。ハワイ州観光局(HTA)が9月26日発表した予備統計によると、8月の訪問者支出は昨年同月から6%以上増加して15億ドルになり、訪問者数は10%近く増加して92万8178人となった。
この増加の主因は、今年8月の数字が、ハリケーンとキラウエア火山噴火の影響を受けた昨年8月と比較されているからと考えられている。 訪問者支出と訪問者数は、米本土からは増加したが、国外からは減少した。
1-8月の数字を見ると、訪問者支出は前年同期比0.5%減り約121億ドルになり、8月の好調な数字はこの下降傾向を改善していない。一方、訪問者数は5%以上増加し710万人を超えた。訪問者数は2017年2月以降増加していたが、支出は3か月前まで7か月連続で減少していた。
この傾向は、HTAの「観光客の滞在体験と住民感情の向上、訪問者数より訪問者支出の優先」という目標とは反対の動きである。 支出の減少の要因は色々考えられる。1つは、オーバー・ツーリズムに対する住民の反発から観光業管理に重点を置くようになったことである。
例えば、ハワイ・コベンション観光協会は、HTAおよび郡政府と協力し、「クレアナ」(ハワイ語の“責任”)と呼ばれるキャンペーンを行い、訪問者の意識改善を行っている。
もう一つは、支出の多い海外からの訪問者数が減り、支出が少ない米本土からの訪問客の割合が増えているからだ、としている。また、宿泊料金の安い違法なバケーション・レンタルの利用の急増も挙げている。
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Hawaii Tourism Authority (HTA) / Blake Bronstad
(日刊サン 2019.10.12)