日刊サンWEB

過去記事サイト

在ホノルル日本国総領事館協賛 主婦ソサエティーオブハワイ「文化の催し」開催

Bynikkansan

10月 7, 2019

 在ホノルル日本国総領事館公邸で、918日、主婦ソサエティーオブハワイ主催「文化の催し」が開催された。文化の催しは主婦ソサエティのメンバーにゲストを迎えて行われる毎年秋の恒例のイベント。

 

 今年は5月から元号が変わったことにちなみ、「令和」の由来である『万葉集』をテーマに講演会と展示会が行われた。また、茶道を身近なものとして親しんでもらおうと、裏千家のお茶席体験「白露の茶会」も同時に行われた。

 茶会は午前中2席、午後に1席が設けられ、待合では香煎の桜茶が振舞われながら、ハワイ大学図書館から提供を受けた『万葉集』に関する貴重な書籍や資料が鑑賞された。

 

 

 立礼式のお点前ではお茶菓子の後に薄茶を楽しまれ、主婦ソサエティーオブハワイ副会の田中重代さんのお弟子さんらが茶席に連なった。会の有川啓子さんがお点前を披露し、1席をメンバーの谷村リエさんが、半東をディレクターの福本富士美さんが務めた。

 

 

 茶席では、田中さんがお点前の流れや器、花やお軸の由来などを説明。当日使われたお軸は、千利久から数えて15代目にあたる鵬雲斎大宗匠の筆「松樹千年翠」(しゅうじゅせんねんのみどり)。常緑樹の松には、みどりが永遠に続くというおめでたい意味があり、新天皇即位と令和の御世が末永く続くようにとの願いを込めて用意された。花は会員の能見美恵子さんがこの日のために自宅の庭で育てたもので、伊藤美砂子総領事夫人が生け花を担当してくれた。

 

 

 ハワイ州知事夫人のドーン・イゲさんは、主婦ソサエティーオブハワイの地域などへの貢献を讃えながら、元号や万葉集について勉強する機会を持てることへの感謝の意を述べた。

 

 

 また、伊藤総領事夫人は「今回の『文化の催し』を楽しみにしていた。主婦ソサエティーオブハワイの名誉会であることを誇りに思う」と挨拶をした。

 講演のメインスピーカーは、今年 7 月に旭日中綬章を受勲したロバート・ヒューイハワイ大学マノア校東アジア言語文学部。「多言語の万葉集」と題した講演はスライドで万葉集の資料を見せながら行われ、原文、書き下ろし文、現代語訳についての説明のほか、万葉集の一部分を抜粋してその由来や意味が説明された。

 

 

続いて、伊藤康一総領事が万葉集に由来する日本史について、スライドを用いながら講義を行い、縄文時代から万葉集の時代までの日本の歴史を紐解いてくれた。

 

 

 また有川会が挨拶に立ち、今回の催しに協賛した伊藤総領事夫妻、総領事館、ハワイ大学、ハワイ大学図書館へ感謝の意を述べた。その後、料理を担当した阿部修士シェフが紹介され、テーブルでのお茶会懐石が振舞われた。

 参加者たちは万葉集の宴会がイメージされた色とりどりの日本の味を楽しみながら交流し、日本の歴史と文化に浸る秋の一日を楽しんだ。

 

 

 

文:有川啓子(主婦ソサエティーオブハワイ会長) 構成:佐藤リン友紀

 

(日刊サン 2019.09.30)