ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol. 18 女性経営者に育てられた子どもはどう違うのか
先日、女性経営者と娘さんと食事をしてから、女の子の誕生日プレゼントを一緒に選びにターゲットに行ったのですが、この子の行動を見てびっくりしました。
お店に入り、店員さんにおもちゃ売り場を聞き、最短距離で直行して、「あ〜、これにする〜」と1分でおもちゃを即決したのです。私も買い物は即決タイプだが、6歳女子が即決とは驚きました。その後もさっさとレジに持って行き、バースデープレゼント用として店員に渡し、「じゃあ、帰ろうか〜」と私たち経営者ママ2人と6歳児の3人は、往復+買い物をたった30分で終了して帰路についたのでした。
私たち働くママは、子育てと仕事の両立は一人ではできません。その両方をクオリティーを高く確保するには、生活の中でのプライオリティーを決めることを子どもにも協力してもらう必要があります。それが、いい親子関係を築くための時間にも繋がっていくからです。
子どもとの時間はとても大切な時間であり、短時間であっても密度の濃いものでないといけません。また、生活の中で、時間をかけなくてもよいことと、時間をかけるべきことの取捨選択の重要性を教えていかないと、毎日の忙殺された日々の中で、子育ても仕事もどちらも結果を出せません。
大抵の女性経営者は、せっかちです。買い物に時間をかけることは無駄だと思いますし、アルゴリズムで欲しいものを目の前に広告として出してくれるようなネットが普及した時代に、歩き回って探したり、悩んであちこち巡ったりすることは、他人との共有の時間でする事ではないと思うのです。
また、悩んでいる時間や意思決定までの時間が長ければ長いほど、平等に与えられた時間を圧迫されていく一番の要因です。どちらが自分にとってよいのか、自分自身の好みをはっきりと持たせて、子ども自身でも取捨選択できるようにしていくことが大切です。
普段からこの親子は、母親が隅から説明していく行為をしているので、子どもの取捨選択の基準も明確であり、6歳ですでに「迷わない女」として仕上がっていたわけです。この迷わない意思決定をするために自分の基準を知る技術は、小さい時から鍛えておくと、大人になるまでに圧倒的に時間ロスが少なくなっていきます。
毎日忙殺されて働くママと一緒に過ごすための時間を多く作るためにも、互いの意思決定を早くすれば、それだけ生活がスムーズに進んで行きます。働くママには、子どもが協力者であることはとても重要なことで、お互いに協力しあういい関係の親子だなと思うのでした。
イゲット千恵子
オアフ在住、日米で会社経営&作家 2017年に「経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスマンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、chiekoegged.com
(日刊サン 2019.10.04)