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子どもの能力をマルチに伸ばす キッズエアリアルヨガ

Bynikkansan

10月 3, 2019

子どもの習いごとに何をさせようかと悩むご家庭も多いのでは?ハワイなら、ウクレレやフラダンスが人気ですが、ピアノやバイオリンなどの音楽、学習塾、語学教室、水泳、体操教室、習字、最近ではプログラミングなど、多種多様に教室が存在します。それぞれの目的も当然さまざまです。学校の勉強の予習、復習に。集中力や忍耐力、体力をつけたい、将来の役に立てるように、などなど。今回は、マルチにそのような能力を楽しみながら高められる習い事について紹介します。

 

 大人の習い事のトップ3にも入るヨガ。その中でも、ハンモックヨガ、Anti gravityヨガなどと呼ばれるエアリアルヨガは最近注目を集めています。こちら、大人だけではなく、子どもが経験してもとてもよいと人気が出てきています。 「エアリアルヨガ」は安全、かつ刺激的でありながら自己認識力や集中力、持久力を高められるのにとても有効です。ハンモック状の布にぶらさがって体をよじったり、回ったり、登ったり、転がったりして、時に恐怖に直面したりしながら、運動能力を高め、バランス力やカラダの強さを自然に学んでいきます。遊び感覚であるにも関わらず、本来の自分自身を探したり、その子なりの方法で自己表現をしていくことに自信を持てるようになっていきます。お友達との関係、動きや音楽を通して得る感情にフォーカスし、ポジティブな成長を促します。子ども達の持つ想像力を膨らませて、自信や信頼を強めていくのです。

 

 特徴的なシルクの布を使ったエアリアルの動きは、かなり以前からサーカスの中で生まれていました。その後「シルク・ドゥ・ソレイユ」によって、芸術的な美しさで注目を浴び、近年のフィットネス業界に取り込まれていきました。近年では、公園のような遊び場が減ってきてしまい、チャレンジしたり、空間での身体認知能力を育むような機会も減ってきています。ヨガスタジオやジムでのエアリアルヨガは、貴重な経験として学ぶことができると改めて近年、注目されるようになりました。

 

 

身体能力がぐんぐん伸びる!

 天井からぶら下がっているハンモック上の布を使って、動くことも、止まることも、さらには逆さまの状態だったとしても、自分の体が空間の中のどこにあるのかを意識し、その子らしい体の動きを表現できるようになっていきます。空間の中で、どんな動きをするかを決めていくことは、マルチに神経を刺激していきます。まず、カラダへ意識的になって、身体能力を高めていくことにとても役立ちます。動かしたい動きとは別に勝手に動いてしまう部分のバランスを取りながら動かないといけません。当然、このようにしてバランス能力は高まっていきます。「うちの子は不器用でできないわ」と思う方こそ、実感できるでしょう。 シルクの布に掴まったり、体を持ち上げたりすると、握力や上半身が強くなります。また次から次へと繰り広げられるポーズで脚を持ち上げたり、カラダを曲げたりするので、コアが鍛えられます。逆転系のポーズで逆さまになることもありますが、血流をよくしカラダ全体に酸素が行きわたるような、より深い呼吸ができるようになります。逆転のポーズを行うことは、チャレンジにも見えますが、エアリアルヨガの布がしっかり体をサポートしてくれることに気づきながら、恐怖心を減らしていけます。

 

落ち着きのない子にも変化が!

 不安定なハンモック上で動くのは、地面に足がついているのとは異なり、カラダがどのように動いているのかを把握しなくてはならず、集中力と俊敏さを養います。自動的に注意深くなっていくのです。ヨガの特徴的な部分でもありますが、どのような呼吸をしているのかを意識的になり、ゆっくりと自然なマインドフルネスの状態へと入っていくことができるようになります。

 

 これらの動きは、失読症や落ち着きのない注意力散漫な子どもにもとても有効だと言われています。これまで経験しなかった落ちつきを得ることができます。子どもはもちろん、大人にもこのような感覚を得られることは他に類をみない効果が期待できるのです。

 

 Still and Moving Centerでのキッズ向けエアリアルヨガクラスでは、意識的で、かつ創造的な動きを指導していきます。通常の垂直な状態でのヨガであっても、子ども達の想像力をかきたてていきます。それに加えて、繭のようなハンモックの中で休むポーズのときは、空中でくつろいでいるような感覚を得られます。ある子は、「蝶になる準備ができている毛虫のような感じがする」と話していました。空中にいるような状態で、マインドを解き放し、自分がなってみたいものに何にでもなれるような想像力が働いていくのです。さらに、まるで空中にいるような状態でも、実はとても安全なんだと理解できることで、吊るされたり、踊ったり、探検したり、「お勉強」ではない遊びを通して自然と自信を持てるようになっていきます。

 

 夢中で楽しめるものがあるとき、子ども達は、人前で習ったことを披露することが大好きです。こういう経験が、将来色んなシチュエーションの中で、人前でパフォーマンスをしなくてはいけない時の恥ずかしさや不安を克服し、精神的に成長していくよい機会にもなります。よじ登ったり、飛んだり、ぶら下がったり、ハンモックの中でリラックスするようなすべてのことが楽しくて仕方ありません。難しく見えても何度かチャレンジしたら簡単にできるようになります。このエアリアルヨガがかっこいいものだと思う子も多く、「僕がもっともっと元気になっていくような気がします」と笑いながら話してくれる子もいます。

 

 スタミナと筋力を増し、カラダを強くすることは、感情的にも自由で、リラックスしていて、自信を持つことに繋がります。挑戦的に見えるポーズや動きを通して、仲間と励まし合ったり、認めたりしながら達成感を感じながら、協調性を育んでいくこともできるのです。

 

 カラダとマインドの全てを使って行うトレーニングであり、多くのベネフィットをもたらし、成長する機会を与えてくれるエアリアルヨガを試してみませんか。

 

 


Renee Tillotson カカアコにあるStill and Moving Centerオーナー、兼ディレクター。Stilland Moving Centerでは、マインドフルネスの実践に基づくヨガやメディテーションクラスが豊富に揃う。1歳半から参加できる「ケイキヨガ」、その他にも子どもたちが楽しめるフラやエアリアルヨガのクラスなど、多数クラスを実施。

 

1024 Queen Street , Honolulu, HI, 96814

TEL 808-397-7678

Japanese

 


監修=Renee Tillotson(キッズヨガ)、文=猪俣和泉

 

 

 

(日刊サン 2019.08.23)