日刊サンWEB

過去記事サイト

ドリームキラー

 

こんにちは、メアリーです。 私は幼い頃からなりたいものがたくさんありました。一度しかない人生を自分の能力を使って幸せに生きて欲しいという教育方針だった私の両親は、私が将来の夢を語る度に「何でもやってみればいいよ。お前ならできるよ」とサポートしてくれました。そのおかげで40歳を過ぎた今も、自己成長のために日々の努力を楽しみながら経験値を得ています。

 

私の周りには弁護士でセスナ機のパイロット免許を持っている人、医者でありながらバンドマンなど、生活を成り立たせる方法と人生を更に楽しむための手段が別々の人が多くいます。皆、仕事をするために生きるのではなく、生きるために仕事をすることをモットーとし、上手にバランスを取りながら生きている人たちです。

 

最近、高校生になる長男が将来のことについて頻繁に話してくれるようになりました。行きたい大学や、就きたい職業、どんな感じで20代を過ごしたいのかも。「どう思う?」と聞く息子に対し、私はまず色々と真剣に考えていることを褒め、「そのプランで5年後、10年後と自分のことがもっと好きだと思う?」と聞き返します。

 

シンプルな問いかけにみえますが、収入のことだけを考えてプランを立てたり、周りからのプレッシャーに負けて目標を掲げている場合、何かで躓いた際に最後まで貫くことが非常に難しくなります。この質問は自分の幸福感と自尊心を照らし合わせることでそれが自分にとって本当にベストなプランかどうかを再確認させます。

 

万が一「もっと勉強しなきゃ無理だと思うけど」などと言ってしまった場合、本人のやる気は一気に下がり、不安な気持ちでいっぱいになるでしょう。息子のことを思い、奮い立たせようとして言った何気ない一言が、子どものやる気を根から折ってしまうドリームキラー発言となってしまうわけです。しかもダメージはそれだけでなく、人間特有の『信頼関係』が親子間で崩れてしまい「もうママには何も言わない」となりかねません。

 

親子関係が良好で、情緒が安定している子ども達は学習意欲が高く、社会的な行動がポジティブです。それはオキシトシンというホルモンが助けてくれるから。向かい合って目を見ながらしっかりと話を聞いてあげる、頑張ってねと言いながら頭を撫でてあげる、などで簡単に出てくるホルモンです。

 

子どもが夢を持つことで自分の将来にワクワクするよう、親はサポート上手になる必要があります。そのためには子どもの夢は評価せず、どうしてそういう夢を持つのか、に興味を示してあげることが大切です。一回の会話で全てを聞き出そうとするのではなく、何回かに分けてゆっくりと話を聞いてあげることで、情熱ややる気に自信が加わり、より強い子へと成長します。

 

教育スペシャリスト メアリー先生 vol. 4

(日刊サン 2019.09.21)

メアリー

教育現場に24年携わるハワイ在住の教育スペシャリスト。カカアコにて英才キッズアカデミーを運営。人間能力開発研究所の創立者であるドーマン博士に直々教わったテクニックと独自の研究を合わせ、「IQ(頭脳)とEQ(人間性)をバランスよく育てる教育法」を開発。こどもLLCなど、子どもが社会に出るのを楽しみにするようなレッスンが人気。また、ストレスのない受験対策や子育ての細かい指導法は信頼が厚い。

シェアする