日刊サンWEB

過去記事サイト

ホノルル美術館 新しい時代の幕開け

Bynikkansan

9月 14, 2019

ホノルル美術館は、現代美術館の跡地であるスポールディング・ハウスの売却、美術学校の再編、等を取り進めていると同時に、同美術館の新しい時代の幕を開ける次期館長の選考を行っている。 次期館長職には162名が応募し、現在男女5人に絞られている。理事会は9月中旬までにこの5人の中から新館長を選定し、年末までに就任させる予定である。

 

2011年館長に就任したステファン・ジョスト氏(現トロント美術館館長)は、ホノルル美術アカデミーとマキキハイツの現代美術館を合併して、ホノルル美術館を立ち上げた。 理事会の30名の理事の内7人が現代美術館を監督しており、アカデミーと現代美術館の合併は感情的・財政的な対立を生んだ。

 

この対立の中、理事会は7月、「スポールディング・ハウス」の売却を決定し、さらに、有名な建築家ウラジミール・オシポフによって設計された「プー・パニーニ」と呼ばれるダイヤモンドヘッドの邸宅の売却も決定した。両建築物の売出価格はまだ設定されていない。

 

ジョスト氏は、2つの組織、理事会、財政を統合し、合併した博物館の運営を強化し、財政基盤を強化したと評価されている。この過程で、一部の理事が辞任した。 ジョスト氏の後任として2017年1月に着任したショーン・オハロー氏(現ケンパー博物館館長)は、運営コストが上昇している美術学校の授業料を17年ぶりに約30%引き上げた。

 

また、授業時間を標準化し、出席者の少ない授業を廃止し、授業の効率化を図ったため、赤字は減少し、授業の質は向上した。 同美術館では現在、約130人の正規従業員、約140人のパートタイム従業員、約300人のボランティアが働いている。 理事で暫定館長を務めるマーク・ブラク氏は、「理事会は、次の館長が着任するまでに、スポールディング・ハウスの売却を含む長年の課題を処理しなければならない。新館長が素晴らしい将来の幕を開けるために、難しい選択をせざるをえないところまできている」と述べた。

 

 

 

(日刊サン 2019.09.14)