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来季はどうなる?メジャーリーグの日本人投手陣

Bynikkansan

10月 7, 2017

10月に入り、メジャーリーグはレギュラーシーズンが終了。すでにプレーオフが始まっています。日本人選手ではロサンゼルス・ドジャース所属のダルビッシュ有、前田健太両投手、ニューヨーク・ヤンキース所属の田中将大投手が出場予定。シカゴ・カブス所属の上原浩治投手はチームはプレーオフへ勝ち進んだものの、本人は9月に入ってから膝が腫れたり、背中に張りが出たりで、戦線離脱中。

 

4日現在、プレーオフの25人ロスターに登録されるかどうか、微妙なところです。42歳の上原投手は今季1年契約でボストン・レッドソックスからカブスへ移籍。来季の契約を勝ち取るためにも、プレーオフで実力を発揮したいところです。 大型契約が目前のダルビッシュ投手 今夏のトレード市場で目玉選手だったダルビッシュ投手は、7月31日の期限ぎりぎりにテキサス・レンジャーズからドジャースへトレードされました。

 

ダルビッシュ投手の現行契約はメジャー移籍した2012年にレンジャーズと結んだ6年総額6,000万ドル。ドジャースはトレード成立と同時にこの契約をレンジャーズから引き継いでいます。年俸1,100万ドルの今季は契約最終年となっており、プレーオフで好投することで大型契約へ向けた弾みとしたいはずです。

 

ちなみに今季のメジャーリーグの投手最高年俸はダルビッシュ投手のチームメイトでもあるドジャースの左腕クレイトン・カーショーの3,557万ドル。カーショーは今季レギュラーシーズンの勝利試合数(18)と防御率(2.31)でナ・リーグ首位の成績を残し、3年ぶり、4度目のサイ・ヤング賞受賞はほぼ確実です。年

 

俸3,000万ドル以上の投手はドジャースのカーショーとダイヤモンドバックスの右腕ザック・グリンキのみです。 年俸2,000万ドル以上、3,000万ドル以下の投手は、ヤンキースの田中投手やレンジャーズ時代にチームメイトだった左腕コール・ハメルスら10人。オークランド・アスレチックスやピッツバーグ・パイレーツなど、財布の紐が堅いことで知られるチームへ移籍しない限り、このグループにダルビッシュ投手が仲間入りするのはほぼ確実でしょう。

 

気になるのは、新天地で残留するのか?古巣へ戻るのか?それともまったく新しいチームへ移籍するのか?まずはプレーオフでの活躍を見てからのお楽しみです。

 

上原浩治投手が所属するカブスのリグリー・フィールド

 

契約破棄も可能な田中投手

2014年にメジャー入りを果たした田中投手の契約は7年総額1億5,500万ドル。2020年まで1年当たり約2,200万ドルの年俸が支払われることになっています。しかし、今季終了後には田中投手が契約を破棄できるオプションがあり、これを行使すれば、田中投手は他チームへ移籍することも可能となります。

 

このオプションは契約額をはるかに上回る成績を残した選手が、契約満了を待たずに成績に見合った契約額を手にできるよう配慮されたもの。好成績を残した選手ほどオプションを行使して現行契約を破棄し、新たな契約を手にするのが普通です。 今季レギュラーシーズンの田中投手は2桁奪三振の好投を見せたかと思えば、本塁打による大量失点で早々と降板させられるなど、浮き沈みの激しさが目立ちました。

 

タンパベイ・レイズと対戦した開幕戦では、2本塁打を含む8安打を浴び、わずか2回2/3で降板。一方、4月19日のシカゴ・ホワイトソックス戦では7回を投げ、6安打、1失点。4月27日のボストン・レッドソックス戦では3安打、無失点の完投を遂げています。しかし、5月14日のヒューストン・アストロズ戦では4本塁打を浴び、8失点後、2回も持たずに降板。その2登板試合後には13奪三振で7回1/3まで1失点に抑えています。

 

チームでは36歳の左腕CC・サバシアの年俸2,500万ドルに次ぐ高給取りで、今季も開幕先発投手に抜擢された田中投手ですが、シーズン後半戦では23歳の若手右腕ルイス・セベリノにエースの座を奪われた感があります。レギュラーシーズン終盤にボストン・レッドソックスとの地区首位争いで有利となるよう、ジョー・ジラルディ監督が登板日を優先的に調整させたのはセベリノで、1試合で決着がつくワイルドカード戦の先発投手に抜擢したのもセベリノでした。

 

そのワイルドカード戦でミネソタ・ツインズを破ったヤンキースは、地区シリーズでクリーブランド・インディアンスと対戦中。田中投手はヤンキー・スタジアムへ戻って行われる第3戦に登板予定です。プレーオフであっというようなピッチングを見せてくれるかもしれませんが、今季これまでの内容からして契約破棄オプションは行使しないではないかと見られています。

 

もっともヤンキースに残留できて不満な選手は少ないはず。特にアーロン・ジャッジやゲリー・サンチェスなどの台頭で、チーム再建期を終え、再び優勝を狙える位置まで戻ってきた今なら尚更です。田中投手の動向にも注目です。