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6年ぶり!イチロー選手がマリナーズに復帰

Bynikkansan

4月 7, 2018

選手紹介を待つイチロー選手のシルエットを映し出すビデオボード

 

いよいよメジャーリーグが開幕しました。暦の上では春ですが、東海岸や中西部はまだまだ寒く、4月2日にニューヨークで予定されていたタンパベイ・レイズ対ヤンキース戦とフィラデルフィア・フィリーズ対メッツ戦の2試合は球場の積雪により試合が延期されています。全30チームが一斉に開幕を迎えた3月29日には、降雨のため、シンシナティでのワシントン・ナショナルズ対レッズ戦と、デトロイトでのピッツバーグ・パイレーツ対タイガース戦の2試合が延期。青空のもとでプレーでき、雨や雪が降れば閉められる開閉式の屋根を備えた球場がとてもありがたく感じられます。

 

 

イチロー選手が古巣復帰

シアトル・マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドは開閉式の屋根がある球場の一つです。イチロー選手が6年ぶりにチームに復帰した今年は、3年ぶりにホームで開幕を迎えました。

 

イチロー選手がメジャーデビューを果たした2001年を最後に、16年連続でプレーオフを逃しているマリナーズでは、ヤンキースやボストン・レッドソックスなどの人気チームとの対戦でない限り、めったに完売しないのですが、それでも、毎年開幕戦だけは大入り満員です。今年はイチロー選手が古巣復帰したこともあり、地元ファンは開幕が待ち切れなかった様子。開場前から長蛇の列ができていました。

 

開幕戦のお楽しみは、試合前に行われる選手紹介です。セーフコ・フィールドではセンター後方のトンネルからホームへ向かってレッドカーペットが敷かれ、その上を先発選手が一人一人名前を呼ばれた後に走り出てきます。10年連続で開幕戦の先発投手に抜擢されたフェリックス・ヘルナンデスを除く投手陣の紹介が終わると、野手が打順に沿って紹介されました。

 

野手のトリを務めたのは、開幕戦に9番・レフトでスタメン入りしたイチロー選手。名前を呼ばれるのをトンネル内で待機中のイチロー選手のシルエットがビデオボードに映し出された時点で大歓声が上がり、レッドカーペットに背番号51が登場すると、打ち上げた花火の音もかき消さんばかりの大熱気となりました。

 

背中にもイチメーター

イチメーターで知られるエイミー・フランツさんのユニフォーム

 

マリナーズの名物ファンの一人であるエイミー・フランツさんは、この日を指折りに数えていたようです。エイミーさんはイチロー選手の安打数をカウントする「イチメーター」で有名な地元在住女性。マリナーズがまだキングドームで試合をしていた頃、当時ライトを守っていたジェイ・ビューナーのファンだったそうで、ライト後方最前列の座席をシーズンチケットで購入。

 

セーフコ・フィールドへ移転してからも同じ座席をキープしており、移転から3年後にはイチロー選手が目の前でプレーするようになりました。 イチロー選手がヤンキースやマイアミ・マーリンズへ移籍した後も、ニューヨークやマイアミまで試合を見に行っていたエイミーさん。

 

イチロー選手がメジャー通算3000安打を記録した2015年8月には、達成の瞬間に立ち会おうと、マーリンズの試合を追って転々と移動。旅費はGo Fund Meで募金を募って旅費を捻出し、晴れてコロラドで通算3000安打達成の瞬間を目にすることができました。 イチロー選手が復帰した今季、エイミーさんは試合観戦用のユニフォームを新調しています。

 

イチロー選手が2004年に達成したシーズン最多安打の262や、通算安打の3000を背番号にしたユニフォームはすでに作ってあるため、今度はどうしようかと頭をひねったところ、思いついたのが、イチメーターと同じように安打数をカウントできるようにしてはとうか?というアイデア。というわけで、今年作ったユニフォームの背番号の数字はマジックテープで取り外せるようにしてあり、開幕戦には昨季終了時点での通算安打数である3080になっていました。

 

見慣れたスーパープレーを再び 開幕戦では快音が響かなったかったイチロー選手ですが、3月31日の2試合目には、まず守備でファンを魅了しました。クリーブランド・インディアンス戦の3回表。3番打者ホセ・ラミレスの打席。フェンス上部に塗られたイエローラインぎりぎりに飛んできた打球に向かって、絶妙のタイミングでジャンプし、ホームランを阻止します。

 

フェンスにぶつかった衝突で、地面へ倒れ込み、どんぐり返りしましたが、ボールはしっかりグラブの中に納まっていました。かつてはライト側でよく披露していたこの美技に、セーフコ・フィールドでは守備中にも関わらず、「イ・チ・ロー!イ・チ・ロー!」とイチローコールが鳴りやみませんでした。

 

その守備を終えた直後の攻撃では、その回先頭で打席に立ち、センター前こそへは抜けなかったものの、打球を受けた二塁手が一塁へ送球するのに無理な体勢を強いられる中、一塁セーフ。古巣復帰初安打はイチロー選手らしく、内野安打で決めました。

 

このあと、1番・センターでマーリンズ時代もチームメイトだったディー・ゴードンの右安打で三塁まで進むと、2番・ショートのジーン・セグラの中前タイムリーで今季初得点。イチロー選手は更に7回にも左前打を放ち、今季初マルチ安打も記録しました。