ダニエル・K・イノウエ国際空港で8月22日、陸上・宇宙戦闘用の放射線耐性のプログラマブル・メモリ装置などの輸出禁止技術の中国への密輸、共同謀議、輸出管理改革法違反の容疑で、中国人が逮捕された。 逮捕されたペンジー・リー容疑者(33歳)に対する非公開の予備審問が8月23日、米国地方裁判所で開かれた。
現在、裁判は停止されており、政府当局が調査を行っている。 FBIのクリストファー・レイ長官は先月、上院司法委員会で「中国以上に防諜活動を行い米国に深刻な脅威をもたらしている国はない。中国は、米国の犠牲の上に経済繁栄を謳歌してきた」と証言した。
国土安全保障省によると、米国秘密捜査官が2年前、米国の機密技術情報のブローカーと称し、香港と深圳に住む中国人と思われる「A」(女性)と接触した。 「A」は、高性能角速度センサーの取引を望んだ。この製品が「国家防衛用」製品で、米国国務省の輸出免許が必要で、中国への輸出は特に禁止されているのを承知で、「違法取引」を持ちかけた。
「A」は2018年6月15日、宇宙や陸上戦闘用の耐放射線プログラマブル・メモリ装置30台の入手も要求し、韓国またはインド経由の香港向け迂回輸出の可能性を照会し、2万1474ドルの「リスク料」込みの装置代金8万ドル強を米国の銀行口座に送金した。
「A」は1月初旬、カリフォルニアの会社から放射線硬化マイクロ・チップを購入し、覆面捜査官にそれらを荷物に含めるように依頼し郵送したが、マイクロ・チップは没収され、証拠として国土安全保障局に保管された。 捜査官はその後、「米国税関国境警備局が荷物を押収し、1万6千ドルの罰金が科された」と「A」に伝えると、5月29日「マネージャー」と称するリー容疑者から連絡が入り、製品のサイパンへの移送を求めた。
捜査官はすぐに、「罰金を支払い、税関職員を買収し、製品を取り戻した」と連絡した。 同容疑者は、サイパン、カナダ、または安全なヨーロッパで会って製品を受け取ることを要求したが、覆面捜査官はハワイを提案し、ハワイの税関監督者に金、葉巻などを渡して買収すれば問題はない、と説明し納得させた。
捜査官は8月22日、ホノルル空港でチェックイン中の同容疑者に、高性能メモリ装置と耐放射線マイクロ・チップの包みを渡した。同容疑者は、ゲートから香港行きフライトに搭乗する際に、逮捕された。
(日刊サン 2019.09.07)