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ラムズとペイトリオッツが対決!第53回スーパーボウル

Bynikkansan

2月 2, 2019

▲今年優勝すれば史上最多優勝選手となるトム・ブレイディ(2015年2月)

 

 

第53回スーパーボウルはハワイ時間の3日(日)午後1時半にキックオフします。優勝を争うのはAFC代表がニューイングランド・ペイトリオッツ、NFC代表はロサンゼルス・ラムズ。スーパーボウル最多出場記録を誇るペイトリオッツは出場回数を更に11回へと増やし、3年連続の出場が決まりました。

 

来季もスーパーボウルに出場すれば、4年連続の快挙となり、1990年シーズンから4年連続でスーパーボウルに出場したバッファロー・ビルズの最多連続出場記録に並びます。 4年連続で出場し、一度も優勝できなかったビルズと異なり、ペイトリオッツのスーパーボウル勝率は50%。これまで10回に出場し、5回で優勝を果たしています。初優勝したのはトム・ブレイディが先発クォーターバック(QB)に定着した2001年シーズンで、今季ラムズを破って優勝すれば、6度目の快挙でピッツバーグ・スティーラーズが持つ最多優勝記録に並びます。

 

そして、ブレイディは1980年代後半から1990年代にかけ、サンフランシスコ・49ersとダラス・カウボーイズで5回優勝したチャールス・ヘイリーを追い抜き、史上最多優勝選手となります。 一方、ラムズがスーパーボウルに出場するのは今年で4回目です。初出場したのはスティーラーズに敗れた1979年シーズンの第14回スーパーボウルで、初優勝したのはテネシー・タイタンズを破った1999年シーズンの第34回スーパーボウル。

 

それから2年後の第36回スーパーボウルでは3点差で惜敗し、ブレイディ率いるペイトリオッツに初優勝を許しています。 ラムズにとってペイトリオッツは前回出場したスーパーボウルで敗れた相手ですが、今回の開催地アトランタはラムズがスーパーボウル初優勝を果たした縁起のいい場所でもあります。会場は前回使用したジョージア・ドームを取り壊し、2017年にオープンしたメルセデスベンツ・スタジアム。同スタジアムでは初のスーパーボウル開催となります。

 

 

下馬評ではペイトリオッツが有利

ペイトリオッツは監督もQBも百戦錬磨のベテランで、3点差でラムズに勝つと予想されています。QBのブレイディは現在41歳。そろそろ引退して欲しいと願う敵チームのファンの期待を裏切るかのように、「これが最後の試合ではない」と来季の現役続投を明言しています。それどころか、45歳まで続けるのが目標とも言っています。

 

2008年に膝の靭帯を断裂した以外は大した故障がないだけに、実現する可能性は高そうです。 監督のビル・ベリチックは66歳。ペイトリオッツでの5回優勝に加え、ニューヨーク・ジャイアンツのディフェンス・コーディネーター時代の1986年と1990年シーズンにも優勝経験があり、今回で通算13度目のスーパーボウルです。

 

試合前週はホテル住まいを強いられ、連日大勢のメディアから取材攻勢を受けるなど、普段とは異なる環境で大試合を迎えることになりますが、ベリチック監督にとっては手馴れたものです。 一方、ラムズのQBジャレッド・ゴフはプロ入り3年目の24歳。監督のショーン・マクベイも1月24日に33歳の誕生日を迎えたばかりで、チームには監督よりも年上の選手さえいます。

 

オハイオ州のマイアミ大学出身のマクベイ監督は選手としては大成せず、大学卒業直後からタンパベイ・バッカニアーズやワシントン・レッドスキンズでオフェンスのコーチを歴任後、2017年にラムズの新監督に抜擢されました。まだ就任2年目で、スーパーボウル出場ももちろん初めての監督ですが、ベリチック監督からは一目を置かれているようで、今季毎試合終了後にベリチック監督からテキストメッセージが届いたと明かしています。

 

両チームとも強力なラン攻撃が武器です。ランでヤードを稼いでいくうちに、QBがランニングバックへボールをハンドオフするフリをしながらも実際は手放さず、パスを投げて成功させるプレーを織り交ぜてきます。「プレーアクションパス」と言われるプレーです。このプレーを封じるには、とにかくランによるヤード喪失を抑え、パス一辺倒の攻撃に仕向けるべきとされますが、両チームともオフェンスラインが強力で、なかなかランを止められないかもしれません。

 

ラムズがペイトリオッツを破るには、まずはブレイディにプレッシャーを与えることです。ブレイディは両サイドからのプレッシャーを前へ踏み込んでかわすのが得意ですが、これまでに負けた試合では正面からのプレッシャーに屈したケースが多いと言われています。

 

ラムズのディフェンスはアーロン・ドナルドとダマカン・スーという強力なディフェンスタックル(DT)を2人擁しており、ペイトリオッツのオフェンスラインはどちらかを2人がかりでカバーしなければなりません。ダブルカバーされなかった選手が正面からブレイディにプレッシャーをかけることができれば、ラムズにも勝運があるのかもしれません。