▲2018年7月のシアトル遠征時の大谷選手
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手とシアトル・マリナーズの菊池雄星投手の「花巻東OBメジャー初対決」が8日、三度目ならぬ、二度目の正直でようやくアナハイムで実現しました。
両選手は5月30日(木)にシアトルで初対決のチャンスがあったのですが、その時は日本のファンがいかに楽しみにしているかなど眼中になかったエンゼルスのブラッド・オースマス監督が、大谷選手をスタメン起用しなかったため実現せず。
両選手の地元紙にあたる岩手日報がわざわざシアトルへ記者を派遣したにも関わらず、手ぶらで帰る羽目になったという話を報道陣から聞かされたオースマス監督は、「これで許してくれるといいのだが・・・」と8日の対戦前の会見で苦笑いしていたようです。
待望の花巻東OBメジャー初対決は、3歳年下ながら、メジャーデビューが1年早い大谷選手が完勝。菊池投手を相手に3回打席に立ち、6号ソロホームランを含む3打数2安打を記録しました。一方、菊池投手はメジャー自己ワーストの7失点を許し、前々回、前回登板試合に続き、3試合連続で4回途中に交代を告げられ、負け投手となりました。
初回の第1打席は2死走者なしの場面。初球はあわや大谷選手の頭をかすめるほどインコース高めに入り、ひやっとさせられましたが、3球目のスライダーを一二塁間へ引っ張って内野安打。会心の当たりではなく、俊足でギリギリセーフとなった一打でした。
続く4番アルバート・プホルスの二塁打で2死一、三塁となると、5番ケバン・スミスの右安打で大谷選手とプホルスが本塁生還。2点を先制したエンゼルスはこの後も1点を加え、1回終了時点で3点をリード。
2回の第2打席は1死一、二塁。得点圏内にいる走者を返したい場面でしたが、大谷選手は初球のカーブを打ち損ね、一塁ゴロに倒れました。
衝撃的だったのは4回の第3打席。この回先頭のトミー・ラステラが初球の直球を右中間へ運ぶ14号ソロを放つと、続く2番のマイク・トラウトも低めに入った2球目の直球を左翼へ飛ばす17号ソロ。2打者連続ホームランで球場が最高潮に盛り上がる中、打席に立った大谷選手は初球のカーブにバットを振り、打球は左中間スタンドへ。
3打者連続のホームランにエンゼル・スタジアムは歓喜の渦に包まれました。たった4球を投げてホームランを3本浴びた菊池投手は試合終了後に、「経験したことがないような悔しさ」と表現しています。この後、更に2四球を与えてしまった菊池投手は、4回1死一、二塁で降板となりました。
舞台が大きければ大きいほど 活躍する大谷選手
メディアの注目度が高いと、どうしてもそれがプレッシャーになってしまう選手もいますが、大谷選手の言動にはプレッシャーの「プ」の字も感じられません。それどころか、「他の選手と違ってちょっと僕の中でも特別な気持ちもありますし、いつもより打ちたいなと言う気持ちを強く持って打席に入ったので、いい結果になってよかったです」と明かしています。
大谷選手の頭の中には「打てなかったらどうしよう」という後ろ向きな気持ちは存在せず、「いつもより打ちたい」という強い前向きな気持ちがプレッシャーや雑念を寄せ付けないのでしょう。 手元に戻った記念のホームランボールは「母校にあげたい」のだそう。
大先輩の2人がメジャーの舞台で投げ、打ち放ったボールが岩手の高校に届いたら、母校の後輩たちも大いに刺激されますよね。田舎の学校とはいえ、こんなお宝ボールを展示するなら、警備には十分注意してもらいたいものです。
10日にはオールスター戦の第1回中間結果が発表され、大谷選手は指名打者で4位につけています。オールスター戦前日のホームラン・ダービー出場を熱望しているファンも多いはず。打者に集中している今季こそ、出場の好機だと思います。
不振が続く菊池投手
Tモバイルパークの外壁を飾る菊池投手の姿 |
メジャーデビュー6試合目に初白星を手にした菊池投手は、5月下旬から調子を落としています。25日のオークランド・アスレチックス戦で5失点を許した後、大谷選手が欠場した30日のエンゼルス戦では6失点。
8日のエンゼルス戦ではメジャー自己ワーストの7失点を献上し、直近3試合で4回途中の降板が続いています。特に奪三振の数が激減し、この3試合で2つしか取れていません。
今回は中8日で十分休養と調整期間を得て登板したにも関わらず、制球が甘く、ローボールヒッター(低めの球を好んで打つ)として有名なマイク・トラウトに内角低めの球を投げた結果、案の定ホームランにされてしまったのは見ていてショックでした。