—昨年はホノルルチームが世界一!
今週は大手町を離れ、長野県上田市まで出張し、少年野球の最高峰ともいえる「全日本選手権」の開幕式に出席してきました。 北は北海道・札幌から南は九州・長崎まで、地区予選を突破した16チームが信州上田の地に集結。8月15日からアメリカ・ヴァージニア州ウィリアムズポートで開かれる世界大会の出場切符をかけて、元気にプレーしました。
昨年、リトルの世界大会を制して“世界一”に輝いたのはホノルルのチーム。ハワイは05年にエバ・ビーチ、08年にワイパフのチームが世界一になっています。娘がハワイで通った小学校では、サッカーをする子どものほうが多い印象でしたが、ハワイ州は強豪のひとつなのです。
信州の山並みを臨む開会式。代表16チームが元気に入場 |
— 今年の日本代表は調布リトルに
信州のさわやかな風の中、子どもたちは自分の名前がアナウンスされると、帽子を取ってスタンドに手を振り、守備位置につきます。出場選手は12歳以下。高校球児とは違い、可愛らしさも残る表情やプレーが新鮮でした。お揃いのTシャツを着たスタンドの保護者の応援団も盛り上がっていました。 試合は県営上田球場をはじめ、戦国の武将・真田幸村の父が築城した「上田城」の跡地にある野球場などを舞台に、3日間続きました。
選手は、上田市内の別所温泉に宿泊。全国からチーム・関係者ら1500人が訪れ、千曲川が流れる上田市内も歓迎ムードがあふれました。今年は東京代表の調布が優勝し、世界大会へ駒を進めました。 実は、日本のプロ野球でもリトルリーグ出身者は多く、“大ちゃんフィーバー”を起こした荒木大輔さんも、今から40年以上前に調布リトルで世界一に輝いています。そのほか、大谷翔平(エンゼルス)、松坂大輔(中日)もリトル出身。清宮幸太郎(日本ハム)は、2012年に世界大会に出場。投打に活躍する二刀流で地元メディアに大絶賛され、優勝を飾っています。
— 全試合TV放送
ハワイからも応援を 世界大会では、アメリカの各地区の代表8チーム、日本やメキシコ、豪州、南米の代表8チームが対戦します。普段は人口3万人ほどの開催地のウィリアムズポートは、期間中は30、40万人が訪問。子どもたちは専用の宿舎に親と離れて滞在し、世界中から集まった仲間たちと、交流を深めるそう。70年以上の歴史を持つ大会でかつて世界一に輝いた元プロ野球選手は「野球よりも海外の選手と宿舎で卓球をやったのが楽しかった」と話してくれました。
アメリカではスポーツ専門局のESPNで全試合放送され、注目度も高いリトルリーグ世界大会。今年は日の丸を背負い世界に挑む調布の選手にも、ハワイからもぜひ声援を送ってあげてください。未来の「大谷翔平」が見つかるかもしれません。
竹下聖(たけしたひじり)
東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。
(日刊サン 2019.07.27)