世界的な政治、経済、貿易の緊張の高まりにより、外国人による米国不動産の購入が減少している。全米不動産者協会は、外国人による米国の住宅投資の年次調査のために、外国人と最近米国に移住した者による米国の不動産購入を調査した。
その調査によると、2018年の外国人による米国の住宅の購入件数は、3分の1以上減少した。中国人による住宅購入は2018年のレベルから56%急落している。 同協会のチーフ・エコノミストのローレンス・ユン氏はこの報告書の中で、「この落ち込みは驚くべき幅である。米国に不動産を持つことに信頼が持てなくなってきていることを示すものである」述べた。
人気の地域は、依然として、カリフォルニア、フロリダ、テキサスである。 2019年の外国人による米国住宅の購入は2年連続で減少した。2017年の購入額が1千500億ドルを超えた後、2018年には1千120億ドルに減少し、現在は800億ドルを下回っている。2017年からほぼ50%減少している。
「海外の経済成長の鈍化、中国の資本規制の強化、米ドルの高騰、販売用住宅の在庫の低さ、などの要因が重なり、外国人が購入を手控えてたものと考えられる。経済的要因で説明できる以上の非常に大きな落ち込みである。米中の貿易戦争が心理的に影響しているのは間違いない」とユン氏は述べた。
ユン氏は、多くの州での住宅在庫の低下も原因の一つであると指摘している。 米国と中国が貿易と経済の問題で対立しているにもかかわらず、中国人は依然として外国人不動産購入者のトップ。2017年の約320億ドルからは減少しているとはいえ、134億ドルの住宅を購入している。カナダ人が2番目で80億ドル、インド人が69億ドルで続いている。
(日刊サン 2019.08.28)