ハワイではThe Busの中が強烈に寒いことがありますね。異常に冷房を効かせている事務所やレストランも決して少なくありません。ハワイで風邪をひく人は珍しくありません。「なあに風邪くらい」と思って侮ってはいけません。風邪は万病の元。風邪から様々な病気を併発することもあるのです。風邪はひかないように日頃から十分な注意が必要です。 たかが風邪、されど風邪。ハワイは秋から冬に向かいます。今週の「健康」は、風邪の予防についてお伝えします。
風邪ってそもそも、何?
風邪(かぜ)は、正式には「風邪症候群」といって、上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。粘膜からウイルスが感染して炎症を起こします。ウイルスに感染すると、粘膜内部の組織に炎症が起こり、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱、また、風邪が引き金となって中耳炎や副鼻腔炎、さらに気管支炎、肺炎、脳症などの合併症を引き起こすこともあります。
一般的には4、5日から1週間で治るものがほとんどで、熱が出ても3日以上続くことはほとんどありません。でも、必ずしも軽い経過をたどるわけではなく、細菌に2次感染して色のついたたんが出たり、熱が続いたりすることがあります。
また、発熱は、自分で自分の体を治そうとする免疫の働きが活発になっているサインです。
風邪をひくのはどうして?
原因微生物の80~90%はウイルス 風邪の原因の80~90%は、電子顕微鏡でしか見ることができない200種類以上といわれている超小型のウイルス。鼻風邪を起こすライノウイルスや、のどをはらすアデノウイルスが病原体の代表格です。
風邪をひいている人の鼻水や唾液を介してウイルスを取り込むことでも感染します。くしゃみやせきを直接浴びるだけでなく、風邪をひいているお客が鼻をこすった手でお金を払う→そのお金を店員さんが受け取る→店員さんが、お金に触れた手で鼻をこする→店員さんが風邪になる→その店員さんがお客にうつしていく。 といった具合に、直接飛沫だけではなく、間接感染も少なくありません。
風邪とインフルエンザとは違うの?
風邪とは、ひとつの病気を指す正式な病名ではありません。異なった病原体が鼻やのどなどに取りついて起こるさまざまな症状を、ひとくくりにして「風邪」と呼んでいるだけなのです。 一方、インフルエンザは、発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、倦怠感(けんたいかん)などの全身症状がいきなりあらわれるのが特徴で、多くの場合、激しいせきをともないます。
鼻水は後から続きます。症状は重く、感染から1〜2日の潜伏期間をおいて、3日目頃から急激に悪化し、熱は40℃前後に及ぶこともまれではありません。インフルエンザが流行中に40℃近い高熱が出たなら、まずインフルエンザとみて間違いないでしょう。
効果的な風邪予防法
お部屋の温度・湿度の コントロール
空気が乾燥すると、鼻やのどの粘膜が乾燥して体の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。また、冷房などで体が冷えると、血液循環が悪くなり繊毛運動が弱って、ウイルスが侵入しやすくなります。室内の温度や湿度は適度に保つことが必要です。
うがい
口やのどの粘膜に付着したウイルスや細菌を洗い流す効果があります。帰宅時や、外出先でも時々うがいをしたほうがいいでしょう。
手洗い
先の店員さんの話の通り、風邪は咳や、咳を抑えた手や、鼻水のついた手などから感染します。風邪ひきの人が触ったバスの手すり、ドアノブ、エレベーターの行き先ボタン、タッチパネルなども風邪ウイルスの感染仲介役として疑われています。だから、知らない間に手に付いたウイルスを手を洗って、洗い流しておくことが必要です。
マスクを使う
ウイルスや細菌はとても小さく、マスクのガーゼなどは簡単に通過できます。ただ痰やつばなどは通れませんので、他人にうつさない効果は多少期待できます。更にマスクは鼻や口の湿度を保つのに有効です。
他には…
禁煙や、薄着の習慣、十分な栄養、適度な運動が免疫力を高め、風邪を引きにくくするといわれています。
効果的な手洗いの方法
効果的なうがいの方法
うがい薬でうがいするのが効果的です。でも、うがい薬がない場合には水でもいいのですが、水よりもお茶や紅茶、塩水などのほうがさらに効果的といわれています。うがい前とうがい後では、菌の数が約4分の1になるとのデータもあるようです。
①1度めのうがいは、口の中の食べカスや、有機物、菌を取る目的で、クチュクチュと口の中を比較的強くうがいして吐き出します。これを2〜3回繰り返します。
②2度めのうがいは、上を向いて、のどの奥までうがい液が届くように、15秒間程度うがいします。アーとか、ガーとか声を出しながらうがいすると、喉の奥まで綺麗になると言われています。これも2〜3度繰り返して終了です。