アラ・ワイ運河の改修工事費用の一部の1億2千500万ドルを負担するのは、ハワイ州か、ホノルル市かーー。州と市が合意しなければ、連邦拠出金の約2億2千万ドルが失われる。
陸軍工兵隊は、アラ・ワイ洪水リスク管理プロジェクト開始のために、7月31日までに総工費3億4,500万ドルの拠出者を確定しなければならないが、州と市はその拠出分の1億2千500万ドルについて合意に至っていない。
1920年代にワイキキ開発のために作られた同運河の洪水のリスクを軽減するために、工兵隊は運河の周りに壁を作り、流域の上流に巨大な洪水制御構造物を建設する計画である。 州は、基本的に1億2500万ドルを支払うことに同意している。
市は、プロジェクトのスポンサーとなり、建造設物維持の資金を提供することに同意している。しかし、これまでのところ、州も市も合意書に署名していない。
州当局は、「市が建設と保守の責任を負う限り、州は財政的支援を提供する用意がある」と述べているが、市当局は、「州がどのように資金提供を行うかの詳細を州と協議中である」とコメントしている。
イゲ州知事は、連邦資金調達のため1億2,500万ドルの州予算を確保しようとしたが、下院財政委員会は、市が負担すべきものだとして、州の拠出を拒否した。
当初、州政府は、連邦助成金が将来分割払いされるので、資金不足をそれほど大きな問題とは考えていなかったし、市が資金不足を懸念して合意書の署名を拒むとも考えていなかった。
ワイキキ近隣委員会のジェフ・メルツ委員は、現在の膠着状態は深刻であり、州と市政府は早急な打開策を模索すべきで、また州議会の関与も必要である、と述べた。 アラ・ワイ運河洪水リスク管理プロジェクトは、コオラウ山脈の尾根からマラマ湾の沿岸水域までを結ぶ19平方マイルの地域が対象である。
一方、同計画に対する近隣住民の反応はほとんどが否定的である。 陸軍工兵隊、州、市は何年もの間議論を重ね、4フィートの高さのコンクリート壁を運河の周りに築き、6つの瓦礫収集貯めを上流に設置するいう提案を作成したが、地域住民の反応は様々であった。
また、プロジェクトには、ポンプ場、独立した瓦礫回収設備、流域に沿った3つの多目的瓦礫留め置きエリアの建設も含まれるが、4月のマノアでの公聴会では、参加した数百人のほとんどが、この計画に反対している。
また、8つの近隣委員会のうち7つが、同プロジェクトの説明が不十分だとして、その延期を求めている。
(日刊サン 2019.08.10)