日刊サンWEB

過去記事サイト

HART解散法案、提出へ

Bynikkansan

8月 3, 2019

市議会のイカイカ・アンダーソン議長は、ホノルル高速鉄道公団(HART)を廃止し、問題の多い高速鉄道建設プロジェクト(総予算92億ドル)の監督を市長直轄の機関に委譲する法案を提出する。これに対し、HART事務局長兼CEOのアンドリュー・ロビンズ氏は、アンダーソン議長の提案が、米国連邦運輸局(FTA)が要求した回復計画の執行に影響を与えるかもしれないと懸念を表明した。

 

回復計画とは、連邦運輸局が求めているもので、これが実行されない限りHARTプロジェクトに対する連邦資金の7億5千500万ドルは拠出されない。 アンダーソン氏は、半自治的なHARTを解散し、高速鉄道プロジェクトの権限を市運輸サービス局(DTS)に移行するという市憲章の修正案を、2020年11月の総選挙時の住民投票で問うという法案を7月29日に提案する予定である。

 

アンダーソン氏によると、これにより説明責任と監督の所在が明確になり、市当局に同プロジェクトの直接の監督権限が与えられることになる。 HARTは、2010年の投票で承認された市憲章改正によって設立され、2011年7月に運営が開始された。

 

無給の10人の理事による理事会が設立され、その内の3名の理事は市議会が、3名は市長が任命し、2名は市と州の元運輸局長が選ばれ、9人目の理事は他の8名の理事が任命する。以上の9名は理事会での投票権を持つ。10人目の理事は、投票権はなく、市計画・認可証発行局の元局長が選ばれる。

 

理事会は、同機関の理事長/最高経営責任者を選出するが、HART予算に関する最終的な権限は市長と市議会が有する。 アンダーソン議長は、「プロジェクト予算が2012年の53億ドルから2018年には92億ドルに膨れ上がったため、FTAは約束した15億5千万ドルの拠出金の内7億5千500万ドルの支払いを停止し、回復計画の作成・実行を要求した。理事会はうまく機能しなかった」と述べた。

 

ロビンズ理事長は、「回復計画はHARTがプロジェクトを管理することを前提としているため、この提案はプロジェクトの遅れと不確実性を引き起こす。決議案が可決され、プロジェクトの権限が市に戻った場合、管理・監督の方法が大きく変わり、それを反映した回復計画の見直しが必要になる」と指摘した。

 

HARTはまた、最終建設区間の資金調達と今後10年間の同鉄道の運営と維持のため、官民提携による非政府組織の設立を検討している。 「入札業者は現在入札提案を検討しており、同法案を提案することは、この過程における不確実性を引き起こす」とロビンズ氏は語った。

 

アンダーソン氏は、「この法案は8月に提案される予定で、市議会本会議で3回承認可決され、最終的に市議会議員6名の「大多数」によって可決されなければならない」と述べた。 この法案が2020年の住民投票で可決された場合、DTSは2021年1月1日までに同プロジェクトの建設を引き継ぐことになり、HARTは2021年6月30日までに解散されることになる。

 

 

(日刊サン 2019.08.03)