ハワイ火山観測所の地質学者が先週、キラウエアの噴火と落石から生成されたと見られる最高にクールな溶岩石を発見した。
「大変興味深いことです」と観測所の地質学者ティム・オアー氏。
「このような溶岩石はこれまでにみたことがありません」
黒く、滑らかな溶岩石は、ペレの涙のような形と大きさをしている。楕円形で約0.5インチ、しかし、中は空洞で、まるで溶岩の卵の殻のようである。
「空洞であるという事実が、とても興味深いのです」とオアー氏。
科学者たちは、写真を観測所のウエブサイトに掲載し、「最もクールなペレの涙」と描写した。 オアー氏が1月8日にハレマウマウ火口の縁でサンプル収集時に発見したのだが、通常のペレの涙とは違った過程で形作られたのかもしれないという。
「他に呼びようがありません」とオアー氏。
「どのようにして形成されたかは分かっていません」
このペレの涙は、溶岩が噴出した時に溶けた溶岩の小さな破片が素早く冷却され、平坦なガラスの破片が涙粒のように形作られたと思われる。
観測所の科学者たちは、その物体が形成された現場のビデオも掲載した。ビデオは、ハレマウマウの縁にあるウエブカメラから午前3時51分頃に撮影されたもので、噴火を起こしながら、岩壁が火口の麓の溶岩湖に流れた後、溶岩の破片が、空気中に吹き出た瞬間が映っている。
噴火の際にでた火山岩の破片は、湖からハレマウマウの縁までの約360フィート先まで流れ出ており、そこは火口の麓から100フィート下となる。
破片のサイズも、粒子のものから直径1ヤード以上ある岩サイズのものまで様々だ。 オアー氏は、この物体は、最初の噴火の後、溶岩湖がまだ安定せず、空気中に飛び散った時に形作られたのかもしれないと推測している。
「そのようにしてできあがったとしたら、とても貴重なものとなります」とオアー氏は話す。 観測所のパブリック・インフォメーション担当のジャネット・バブ氏は、その物体を「とても小さく、壊れやすいもので、間違った扱いをすると、粉々になってしまうかもしれません」と表現している。 オアー氏は、物体は観測所のロビーのデイスプレイケースの中に設置され、研究が続けられると話している。
「私の知る限りでは、このように形作られたものはこれ一つだけです」
「だから私たちは科学を愛しているのです」とバブ氏は語った。「私たちは未知のことを解明しようとしているのです」。