カカアコのワードビレッジは、ハワード・ヒューズ社の組織改編によって、新しい開発業者に移譲される可能性が出てきた。 テキサス州に本拠を持つハワード・ヒューズ社は6月27日に声明を出し、同社の取締役会が、顧問会社を起用し、株主価値を向上させるために同社の資産もしくは同社自体の売却を含む対応策を検討することになった、と発表した。
その対応策には、会社組織の改編、資本増強、会社資産の一部の新しい合弁会社または別会社への移譲、も含まれるという。 ヒューズ社の最大の資産はワードビレッジである。カカアコで60エーカーの敷地にある同ビレッジは、以前は工業・小売複合地域であったが、同社が高級コンド・タワーを持つ住宅地域として開発してきた。 16棟の住居タワー(4千500戸)と100万スクエアフィートの広さの小売スペースの建設を計画しており、現在までのところ、4棟のタワーが完成し、5棟目が建設中で、計画中の6番目のタワーの販売がこの1月に開始されている。
5月末現在、同社は、ワードビレッジの2,284戸のコンド、つまり6棟の85%を26億ドルで販売したと報告している。 匿名の信頼できる筋からの情報によると、ヒューズ社は、業績が非常に良いにも拘わらず、株価が純資産価格を下回っており、売却する資産にはワードビレッジが含まれる可能性があるという。 同社の株価は、この声明の発表後すぐに上昇し、6月27日の終値は、前日の92.59ドルから131.25ドルになった。
シカゴに本拠を持ちショッピング・センターを所有するジェネラル・グロース・プロパティーズ社(後のGGP社)が倒産し再生手続きに入った時に、その不動産資産を引き継ぎ2010年に設立されたのがヒューズ社である。引き継がれた不動産は、全米18州にあり、カカアコの不動産も含まれている。以前ワードセンターズと呼ばれていたカカアコの物件は、2002年に地元のビクトリア・ワード社から買収されたものである。
引き継がれたその他の主な不動産は、ラスベガスのサマーリンとヒューストンのザ・ウッドランズなどの地域開発計画、マンハッタンのサウス・ストリート・シーポート、ニュー・オーリンズのリバーウォーク・マーケットプレイスなどの小売開発計画等である。同じくヒューズ社に引き継がれたアラモアナ・センターは、昨年ブルックフィールド・プロパーティー・パートナーズ社に売却されている。
(日刊サン 2019.07.16)