コールドウェル市長は6月25日、第89号法案に署名し、市計画・認可証発行局(DPP)に違法レンタルを規制する権限を与えるバケーション・レンタル規制法案が条例化されることになった。 2020年10月から施行される同法によると、約1,700件の「ホスト型」のベッド・アンド・ブレックファースト(B&B:物件に所有者や管理責任者が同居しているもの)に新しい許可を付与する一方、「トランジエント・バケーション・ユニット」(TVU)と呼ばれる家一件丸ごとのレンタルを禁止するものである。
通常バケーション・レンタル(バケレン)と呼ばれている「トランジエント・バケーション・レンタル」とは、B&BとTVUの両方を含む、30日以内の住居の賃貸と定義されている。 市が1989年にバケレンの新規許可を中止して以来30年にわたり、歴代の市長と市議会はバケレン規制について議論してきた。 現在、バケレンが許されているリゾート地以外では770件の正式認可バケレンがある。一方、DPPによると、オアフ島には6千~8千件の違法バケレンがあるという。2万件にのぼるという情報もある。
同法案の支持者は、何千もの違法バケレンが、伝統的なホテルやリゾートからビジネスを奪い、オアフ島の地域社会のインフラに負担をかけていると主張している。 法案の反対者は、バケレンの成長は、訪問者の需要増を反映したもので、住宅所有者に収入の機会もたらしている、と主張し、同条例は、何千という雇用を奪い、航空席数にも悪影響を与え、観光業界に負の影響を与える、と警告している。
DPPのキャシー・ソクガワ局長代理によると、この法案の重要なポイントは、バケレンの運営者は、許可番号とB&Bの新しい定義、をすべての広告等に記載しなければならないことである。この規制は、8月1日から施行され、DPP職員はバケレン運営者のウェブサイトを精査し違法レンタルを取り締まることになる。 この法案はまた、ゾーニング違反の罰金を最高1千ドルから、1千ドル~1万ドルに引き上げる。 一方、市長は85(2018)号法案に拒否権を発動した。
同法案は、数千ある違法レンタルを取り締まるが、それらを合法化する途を閉ざすもので、市議会は可決したが、市の顧問弁護士は文言が89号法案と矛盾すると指摘していた。 ホテル経営者やバケレン反対派グループは、バケレン規制法案の成立を歓迎したが、Airbnbなどのホスティング業者とオアフ代替宿泊施設協会は同法案の条例化に失望の意を表明した。 DPPは今後、この法案の具体的条例化の準備を行っていく。
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Hawaii Tourism Authority (HTA) : Daeja Fallas
(日刊サン 2019.07.13)