世界が静かに目覚めていくように、東の空を黄金色に染めながら水平線をゆっくり昇ってくる太陽とキラキラと輝く海原。
昨日と変わらぬ夜明けのはずなのに、元旦の朝日には特別な輝きがあるように感じられる。
新しい光が世界に配られ、新しい年2016年が幕開けた1月1日早朝、ダイヤモンドヘッド頂上には今年も大勢の人々が詰めかけて、その瞬間をじっと見守っていた。
ゲート前の道は6時の開門前から登山客とツアーバスの列で大渋滞。英語、中国語、韓国語と様々な言語が入り混じる中、圧倒的に日本語が多く、どうやらほとんどは日本からの観光客のようだ。西の空にまだ月が浮かぶ暗いうちから携帯で足元を照らしながら山道を登っていくこと約40分。頂上付近は既に多くの人で埋め尽くされ、途中から先に進めなくなった。
午前7時過ぎに水平線にたなびく雲の合間から御来光が顔を出すと、山道を埋め尽くした登山客から「おぉ」というどよめきが。
多くの人々がその美しい幻想的な生まれたての光に、一年の平和と幸せを願っていた。ダイヤモンドヘッド頂上から日の出を臨めるのは、開門時間と日の出時間の関係から概ね冬の3ヶ月だけ。日本人にとって大切な初日の出が、この季節であることに感謝する声もあがっていた。
高いところというのはなぜだか人を無条件に崇高な気持ちにさせる。新たな年へ決意をするのに、ダイヤモンドヘッドはまさに最適な場所と言えるだろう。
一面の光の海に祝福されて、今年も新しい一年が始まった。