6月17日発表のアニー・E・ケーシー財団の今年のキッズ・カウント・データ・ブックは、ハワイの児童福祉は、特に教育と経済的福祉の面において、停滞している、と報告している。ハワイの児童福祉度は2年連続で全米24位にランクされ、大きな改善のあった他の州に比べ、ハワイの改善度は低い。 報告書は子供の福祉度を、経済的福祉、教育、健康、家族、地域社会の4つのカテゴリーに分けている。ハワイは経済的福祉と教育で、それぞれ34位と40位にランクされている。
ハワイの教育上の問題点は、3歳と4歳の子供の54%が学校に通っていないことである(全米平均は52%)。2018年から1%、2009年から10%増加している。ハワイでは幼稚園やその他の保育サービスへの需要が増加しているのに、その施設が増えていない。また、それらの施設が地域にあったとしても、高価で利用できない。他の州では、これらの施設は大幅に増加している。 「人生の中で非常に重要な発達段階を迎えている3〜4歳の子供を学校に通わせることは不可欠で、幼稚園に入る時にはアルファベットが読めるようになってなければならない」と専門家は述べている。
レポートによると、ハワイではK-12教育(幼稚園から高校までの教育)の質は昨年からまったく変わらず、低いレベルのままである。4年生の68%が読書を苦手とし、8年生の73%が数学に弱く、高校生の17%が予定通り卒業できていない。 教育レベルは低い経済的福祉レベルと関係している。報告書によれば、36%の子供たちが住宅費の高い家に居住し、この数字は全米平均よりも悪い。これらの世帯は収入の30%以上を住宅費に費やし、食糧、医療、プレスクールやサマープログラムなどの教育などの基本的なニーズを充分に満たしていない。
ハワイ・アップルシードのニコール・ウー氏は、「夏の間、サマー・スクールやキャンプなどに参加できない低所得家庭の子供たちは、高所得の家庭の子供に比べ、数学や読書において遅れをとる傾向が強い」と述べた。 家族の収入とSATスコアとには相関があり、低収入の家庭の生徒のスコアは低い。ハワイでは、住宅費と生活費が高いため、可処分所得が低くなっている。
(日刊サン 2019.07.06)