市議会ゾーニング・都市計画・住宅委員会は6月7日、バケーション・レンタル(バケレン)条例案を4対0の満場一致で可決した。この条例は、オアフ島で約1,715件のホスト型バケレン(所有者・運営者が賃貸物件に居住しているもの)を新たに許可し、所有者・運営者が居住していない物件(トランジエント・バケーション・ユニット:TVU)を新たに認可しない、というもの。 満場一致で可決されたもう一つの条例案は、現存する何千もの違法な物件を取り締まり・排除するものである。 しかし、大多数の市議会議員は、より公明正大なアプローチを望んでおり、市議会は、別に提案されている第89(2018)号法案を可決する可能性が高い。この法案は、条例のより厳格な執行と1989年以来の新しいバケレンの認可の双方を同時に承認するものである。
これにより、いずれかのバケレン法案が、数週間のうちに市議会で採決・可決されることになった。 30日以内の賃貸は、バケーション・レンタルとみなされ、許可を受けていない場合、または指定されたリゾート・ゾーン以外に存在する場合は、違法とされ禁止されている。現在リゾート地以外には1989年以前に認可された816件の物件があるが、1989年以降の新たな許可はない。市当局は、6千~8千の違法レンタル物件があると推定している。 市長及び市議会は、過去30年間、何代にも渡り、この問題に取り組んできたが、有効な解決策となる条例を施行できず、違法レンタルは増え続け、関係者の不満は募っている。 バケレン賛成派は、物件所有者は、人気が高まっているバケレンを旅行者に提供できるとともに、収入を得ることができる、と主張している。
一方、反対派は、住宅不足を悪化させ、近隣住民に負担をかける、と主張している。 両法案を共同提案したロン・メナー委員長は、過去30年間でこの問題は悪化し、地域社会に悪影響を及ぼしており、問題解決の確固たる行動を早急にとる必要がある、と述べた。 いずれの条例が実施されたとしても、それは、バケレン仲介業大手のAirbnbやExpedia、バケレン運営業者に深刻な打撃を与え、数千人の雇用の減少、観光業界と州経済の縮小を招くと考えられている。
第89号法案の最新版の主な内容は、
●ホノルル郡の8つの開発計画地区のそれぞれにおいて、全住戸数の最大0.5%までの数のバケレンを許可する。市計画・許可証発行局(DPP)は、全体で約1,715の新規許可、または各地域においては約214の許可、が行われると見積もっている。登録料は1件当たり年間1,000ドル。
●DPPがベッド&ブレックファースト施設(B&B)と定義している、ホスト(住宅所有者もしくはその指名した運営者)が同居するバケレンのみを許可する。TVUとして定義されている家全体の賃貸は認めない。
●同法に違反し、違法にレンタル・宣伝を行った者は、1日1千ドル~1万ドルの罰金の対象となる。
●他のB&Bから半径1千フィート以内のB&Bは認可しない。
●家全体を30日以内賃貸する、いわゆる「30日間バケーション・レンタル」を禁止する。これは、実際には30日以内の賃貸なのに、30日間の賃貸として処理することを意味する。
●B&Bの運営者または所有者は、物件の250フィート以内の近所の人々に24時間通じる電話番号を知らせ、ビジネス上の苦情に24時間対応できる体制を作ること。
<写真クレジット>
Hawaii Tourism Authority (HTA)/Dana Edmunds
(日刊サン 2019.06.15)