4月のハワイへの訪問者数は6カ月連続で増加したが、訪問者支出は昨年11月から毎月連続して減少した(ともに前年同月比)。 ハワイ州観光局(HTA)の最新の暫定訪問者統計によると、4月の訪問者数は前年同月比7%近く増加し85万6250人になり、訪問者支出は6%以上減少し13億ドル強となった。 1〜4月の累計は、前年同期比、訪問者数は4%近くの増加し340万人となった。一方、訪問者支出は3%以上減少し58億ドル強となった。 過去6か月の動きは、訪問者数は増加しているが支出は増加していないという長期的傾向を示している。
HTA会長兼CEOのクリス・テイタム氏は、バケーション・レンタルを利用する人の数が増えており、それが最近の訪問者支出減少の重要な要因であると述べた。HTAの報告書によると、今年の1〜4月、ハワイ旅行中にホテルに滞在すると答えた訪問者数は1%上昇し、バケーション・レンタルに滞在すると答えた数は10%上昇した。 テイタム氏によると、HTA理事会は5月29日に8千680万ドルにのぼる2020年度予算を承認し、スポーツが目的の旅行者、日本・中国などの高付加価値市場に予算を投入し、支出の減少に対処しようとしている。 HTAは、8月17日にアロハ・スタジアムで開催されるロサンゼルス・ラムズとダラス・カウボーイズのプレ・シーズン・ゲームを、西海岸市場向けに宣伝している。
HTAはまた、引き続き高価値市場の一つである日本向けマーケティングに100万ドルを増額する予定である。また、訪問者支出の多い中国、台湾や東南アジア向けにもマーケティング予算を増額する。HTA理事会は、2020年度のマーケティング予算を前年の5千100万ドルから5千160万ドルに増やすことを承認した。しかし、マーケティング予算はかつてHTAの総予算の63%を占めていたが、現在は59%をわずかに超えるレベルである。 これには、HTAの新しい観光管理戦略が反映されている。つまり、HTAは、地域社会、ハワイの文化、自然資源、スポーツ、治安の向上・改善に貢献する投資プログラムをも拡大するというものであり、その2020年度予算は全体予算の約32%を占める。
一方、観光調査の予算は1年前の約430万ドルから約400万ドルに減少したが、調査の数は増える予定である。バケーション・レンタルの調査は毎月か4半期ごとに行われる。ハワイの公園、トレイル、その他の人気アトラクションを訪れる観光客数の調査が今後数ヶ月のうちに開始される。 また、HTAは、州と郡が公園やトレイルのようなアトラクションの利用料を取るようにし、下降傾向にある訪問者支出を上昇させることを検討している。
(日刊サン 2019.06.11)