2年をかけた州の低家賃住宅政策見直しにより、州の住宅金融開発公社(HHFDC)は5月17日、低所得世帯向けのアフォーダブル住宅6棟(約1千世帯が入居)を1億3千万ドルでコモハレ社に売却した。
コモハレ社は、地元開発業者スタンフォード・カーとロサンゼルスを拠点とするスタンダード・コミュニティーズ社のパートナーシップである。 オアフ島のカウハレ・カカアコ、ポフラニ・エルダリー、ケクイラニ・コーツ ; ハワイ島のライラニ・アパートメンツ ; マウイ島のホノコワイ・カウハレ、の5棟の所有権は既に州からコモハレ社へ移った。 6番目のオアフ島にあるカマケエ・ビスタ(226戸)は、敷地がアサートン・ファミリー基金の所有で、州に2056年までリースされており、7月15日までに所有権が移転される予定である。 前記の5棟の土地は州が所有しており、コモハレ社はこの土地を75年のリースで貸借し、年1ドルの賃貸料を支払う。リース終了時には、州は自動的に建物の所有権を取得する。
契約の一環として、コモハレは8千5百万ドルをかけ、3年以内に全ての建物外装の改修・全てのユニットの改装を行う事が義務付けられている。 HHFDCは民間開発業者のアフォーダブル住宅建設を金融面で支援するが、その維持・運営は任されていないいないので、老朽化した住宅の改修が、民営化によって効率化・迅速化される、と州関係者は述べた。また、この売却は、長期的にテナントを低収入世帯から低・中間収入世帯へ移行させるもので、HHFDCの長期的な政策に沿ったものである。
売却契約によると、コモハレ社は、既存のテナントの賃料を、最初の5年間は年2%、その後の30年間は年5%、を超えて引き上げることは出来ない。なお、ポフラニでは、既存のテナントが居住し続ける間は、年2%以上の引き上げはできない。 HHFDCは、既存のテナントに対する家賃補助は継続する
。 しかし、一部のテナントは、新しいオーナーが既存のテナントを追い出し、賃料を最大化しようとするのではないかと危惧している。 既存テナントの昨年の月額賃料は、スタジオ942ドル~3寝室1,268ドルであった。既存のテナントの年収は、中間年収の60%以下であり、1人世帯で4万9千20ドル、4人世帯で6万9千960ドルに相当する。 一方、新規テナントの賃料は、ホノルル市の中間年収の80%までと100%までの2つのカテゴリーがあり、HHFDCの規定賃料が設定されている。中間年収の80%の世帯の月額賃料は、スタジオで1,634ドル、3寝室で2,426ドルになり、中間年収の100%の世帯では、それぞれ2,042ドルと3,032ドルになる。
【写真クレジット】
Hawaii Tourism Authority (HTA) : Daeja Fallas
(日刊サン 2019.05.31)