レストランなど業者向けの食品や備品などを扱うザ・チェリーカンパニー主催のフードショーが、5月15日、プリンス・ワイキキ・ホテル3階ピイナイオ・ボールルームでで開催された。毎年開催されているザ・チェリーカンパニー・フードショーは、問屋や小売りなどのフードサービス、レストラン、ホテル関係者など、業者向けのイベント。22回目を迎える今回は、日本、ハワイ、アメリカ本土から、地酒やビールなどのアルコール飲料、味噌や山葵などの調味料、炊飯器や包丁などの調理器具など、さまざまなジャンルのベンダー72社(うち新規11社)が出店。ハワイにおけるジャパニーズ・フードの活況振りを見せた。
開会の挨拶で、大畑正敏ミーチュアル・トレディング・カンパニー社長は「アメリカの日本食市場は好景気を背景に年々拡大しています。今回のフードショーでは、今後ますます拡大していくことが予想される日本食業界で、各業者さんが求めるものにしっかりと応えられる内容になればと思っております」と述べた。
続いて、伊藤康一在ホノルル日本総領事館総領事がハワイの経済背景について次のように語った。「ハワイ州では、観光及び観光関連と米軍向けのさまざまなサービスの2つが主な経済の柱になっています。人口は約140万人でアジア系が多く、人口の13%を占める日系人はハワイの社会、経済の中で主導的な役割を担っております。ハワイは、日系移民などの歴史的背景から、日本的なものがよく受け入れられる素地があります。」また、近年アメリカ本土でも日本酒や日本食がブームになっていることに触れ、「ハワイは日本食ブームのショーケースであり、これから本土に進出しようとしている企業さんにとって、さまざまなノウハウを蓄積する場所になると思います。ハワイで売れているということがポジティブなイメージとなったり、ホノルルに店があるということで日本での企業活動がしやすくなるなど、さまざまな経済効果が期待されます」と語った。
スティーブ・ソンブレロハワイ日米協会会長は「日本と世界を結ぶもので1番喜ばれているのは、やはりジャパニーズ・フードです。2018年の統計で、海外における日本食レストランは約12万軒となっています。その内、ハワイ州には600軒、オアフ島には約443軒の日本食レストランがあります。今回行われるフードショーのようなイベントは、ハワイを始めとした海外における日本食業界のの隆盛を支える上で重要な役割を果たしていると思います」と述べた。
また、岸井孝輝ザ・チェリーカンパニー副社長は「皆様のご協力のもと、お陰様で今年もチェリーカンパニーフードショーを開催することができました」と挨拶し、昨年のカウアイ島の豪雨やハワイ島のキラウエア火山噴火、大型ハリケーンなどの自然災害や、シェラトンホテルの系列9社行った2ヶ月間のストライキ、米中経済摩擦、連邦政府機関の閉鎖による観光業・観光関連業が受けた影響について述べた。「さまざまな困難が重なる中、我が社は昨年比106%の増収・増益を出すことができました。また、近年は、倉庫の新設や大畑新社長の就任など、チェリーカンパニーにとって喜ばしい出来事が重なっております。今後とも、皆様のご協力をよろしくお願い致します」と語った。
ザ・チェリーカンパニーのショールームでは、調理器具、食器類、包丁、箸、テイクアウトコンテナー、食品、酒、ビールなど、レストラン業に必要な商品を常時展示している。場所や時間などの詳細は下記ウェブサイトまでアクセスを。
THE CHERRY CO., LTD.
(取材・文 佐藤リン友紀)
(日刊サン 2019.05. 31)