セントラル・マウイの広大な土地をハワイの最後のサトウキビ・プランテーションから購入したマヒ・ポノ社は、地元の農家にその土地の一部を提供し地場農産物生産を拡大する計画を発表した。
同社社長のセイル・ハウ・3世によると、同社は1、5、10エーカーの農地を地元の農家に提供する。また、農地の提供を受けた農家は、同社の設備、経営指導、予算編成およびマーケティング・サービスも利用できることになる。 同社は、カリフォルニアを拠点とするポモナ・ファーミング社とカナダ公共部門年金投資機構との合弁事業である。
長年製糖事業を行ってきたアレキサンダー&ボールドウィン社(A&B)は2016年、農業事業から撤退し商業不動産事業に集中すると決定した。その後の2018年12月に、A&B社の持つ41,000エーカーの土地がマヒ・ポノ社に2億6千2百万ドルで売却された。
ハウ3世によると、マヒ・ポノ社は、水の便が良く、風の影響を受けず景観の良い古いプウネネ製粉工場の近くの土地を、このプログラムの対象にする計画である。
同社はまた、様々な研究成果を農家に提供し、地元の高校生や大学生にインターンシップ・プログラムを提供する。地域社会の住民から成る諮問委員会を作り、それら計画の規則と指標を設定する。
同社は、5,500エーカーの養牛用のクロリオ牧場を含む、A&Bの砂糖事業以外の農業事業の一部を受け継いでいる。
同社は今後6〜8ヶ月間で緑豊かな野菜を収穫する計画も検討しているという。最終的には地元市場向けの柑橘類、マカデミアナッツ、アボカドの栽培、ファーマーズ・マーケットの開設、牛の飼育の拡大およびバイオ燃料用作物の試験生産も計画している。
マヒ・ポノ社は、現地消費および輸出用の、高品質の非遺伝子組み換え食品を生産する計画である。土地の農業用途以外への変換の計画はない。
同社の2月6日、この農業多様化事業の総責任者としてラリー・ニクソン氏を雇用したと発表した。同氏は、マカデミア・ナッツ生産のマックファームズ・オブ・ハワイのビジネスユニット・マネージャーを務めていたが、2月4日にマヒ・ポノ社に着任した。
(日刊サン 2019.02.16)