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ハワイ不動産ニュース:フェデックスがヒロ・ハッティの敷地を活用

イヴィレイのヒロ・ハッティの旧工場跡地が、再活用されることになった。同地は、かつて市が大規模なホームレス用避難所の設置を検討し断念した経緯があるが、最近3年間は利用されない状態であった。 フェデックスは、同物件と周辺の土地を、本年末までに荷物仕分設備と配送拠点に転換する予定である。

 

同社は、ホノルルで大幅に伸長しているビジネスに対応するために、この敷地を「シティ・ステーション」として再建し、50台の小型配達用バンを設置し、ダニエル・K・イノウエ国際空港を拠点とするネットワークを強化する計画である。 1963年にカルナ・ハワイ・スポーツウェアとして設立された地元の小売業ヒロ・ハッティは、1983年にハリー&ジャネット・ワインバーグ財団の関連会社からリースされたこの土地(ノース・ニミッツ・ハイウェイ700番地)に旗艦店をオープンした。この8万7千スクエアフィートの店舗では、商品の製造と小売りが行われ、ワイキキからバスで訪れた観光客でにぎわった。2015年、ヒロ・ハッティは破産を申請し、この旗艦店を閉鎖した。この当時、同店では製造は行われておらず、維持費をカバーできる売上が確保できていなかった。

 

破産処理の一環として、同社は同社の土地の賃貸契約を高額入札者に売却しようとした。 この地区選出の市会議員ジョーイ・マナハン氏を含む市会議員が、この施設を最大800人収容可能なホームレスの避難所として利用することを提案した。カーク・コールドウェル市長は、土地の賃貸契約の売却には前向きであったが、一か所に非常多くのホームレスを収容する施設をこのような高い賃貸料の敷地に建設することに対し態度を留保した。 結局、同地の賃貸契約の買取りに応募したのは、ワインバーグ財団だけであった。非営利団体である同財団は、410万ドルで同契約を買い戻し、ヒロ・ハッティからの未払いの家賃150万ドルを損金処理した。ヒロ・ハッティは、この土地賃貸契約売却益を、負債の一部返済に使い、以前よりも少ない店舗数を維持しながら現在も営業を続けている。

 

フェデックスは、この旧ヒロ・ハッティ店舗用地及び隣接の敷地を、15年の期間賃貸する契約を締結した。この隣接する土地は、現在3人の個人が所有している。

 

(日刊サン 2019.04.18)