カウアイ島のココ・パームズ・リゾートの再建に7年以上取り組んできた開発業者が、この不動産の売却を計画している。 同リゾートは、1961年のエルビス・プレスリー主演の映画「ブルー・ハワイ」の舞台となり、世界的に知られるようになったが、1992年のハリケーン「イニキ」により壊滅的な被害を受け、閉鎖されていた。 再建プロジェクトは、土地の所有権を主張するネイティブ・ハワイアンからの反対を受けた。ネイティブ・ハワイアンからの訴訟は6月に棄却され、上訴も11月に棄却された。
ココ・パームズ・フイ社のパートナーの1人であるタイラー・グリーン氏は、2年近い計画遅延で、数百万ドルの追加費用が掛かったと語った。 同氏は3月26日の声明で、カウアイ郡がココ・パームズの早急な再建を望んでおり、また、金融機関が融資の迅速な回収を望んでいるため、同不動産の売却を決定したものである、と述べた。
再建を支援するために参加した開発・資産管理会社のスティルウォーター・エクイティー・パートナーズによると、ココ・パームズ・フイ社はプライベイート・キャピタル・グループからの融資の返済を滞納し、2018年末までに再建計画を提出できなかったとのこと。
スティルウォーターの資産運用部長のアーロン・ガースースキー氏によると、ココ・パームズ・フイのパートナーのグリーン氏とチャッド・ウォーターズ氏はプライベイート・キャピタルからの融資の大半を第1段階の解体と修復に使用してしまい、プライベイート・キャピタルの融資を返済するため新たな建設融資を受けようとしたが失敗し、2017年に債務不履行になった、とのこと。
グリーン氏は負債額を明らかにしていないが、ガーデン・アイランド紙によると、ココ・パームズ・フイが5年前に受けた融資額は1千120万ドルに上ると報道している。 プライベイート・キャピタルはココ・パームズ・フイに対し差し押さえ訴訟を起こすかは決定していないが、スティルウォーターは国内外で買い手を探している。
ココ・パームズ・フイは、2016年にプルーデンシャル・インシュアランスPR社からココ・パームズを買い取った。その前には、数社の開発業者が何年もの間、同リゾートの再建を試みたが、全て失敗している。
グリーン氏とウォーターズ氏が同不動産を購入した最後の開発業者で、1億5千万~1億7千500万ドルをかけ、350の客室、小売スペース、文化センターを建設する予定であった。 同リゾートには、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、エルビス・プレスリーらが滞在している。
(日刊サン 2019.04.06)