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ハワイ経済ニュース:ハワイ州観光局が戦略をシフト

ハワイ州観光局(HTA)の新経営陣は3月6日の最新イベントで、観光業界と深く協力していくにはどうすべきかという課題を含む今後の戦略を発表した。

ハワイへの訪問者が年間1千万人を超えた時に課題が変化するとし、イベントの名前は「春のマーケティング発表会」から「観光業の現状」に変更された。

12月に就任した新CEO・クリス・テイタム氏は就任演説で、「私たちの仕事は、何人の訪問者がハワイを訪れているかを追跡するのではなく、観光業を管理することである」と述べ、HTAの使命は、観光業界の売上を伸長し、ハワイ州議会が地域社会のために作った施策を支援することである、と語った。

HTAでの他の変更点は、文化問題担当部長と地域強化担当部長がテイタム氏の直属の部下になったことである。一方、マーケティング・製品開発担当バイス・プレジデントのカレン・ヒューズ氏がマーケティング計画立案の指揮をとっている。

昨年のこの時期、HTAは議会と戦っていた。しかし、今年は、州議会下院議員リチャード・オオニシ氏とアアロン・ジョハンソン氏、上院議員のグレン・ワカイ氏とローラ・ティーレン氏が昼食会ミーティングに参加した。ワカイ議員とティーレン議員は2018年にはHTAを強く批判していた。

ワカイ議員は「私は観光業界の将来について非常に楽観的である」と語った。「私たちは全員が同じ船に乗っているという一体感がある。クリス・テイタム氏のチームが変化にうまく対応してくれると信じている」と語った。

ティーレン議員は、HTAが文化的に健全で環境にやさしい施策を導入したことに感謝の意を表したが、HTAは観光業が住民生活に与える悪影響を軽減する施策を導入すべきだと注文を付けた。

「ハワイはこれまで、訪問者数よりも訪問者支出を増やすため長年高額支出の訪問客に焦点を当ててきたが、現在の世界の経済状況から、その試みは失敗した」と同氏は述べ、HTAや観光業関係者は、新しい計画を早急に立案すべきだと警告した。

「昨年ほぼ1千万人の訪問客がハワイを訪れたと満足しているが、ヴェニスには年間2千万人が訪れている。観光に依存しているヨーロッパの都市は、住民の利益を守るため訪問者に何らかの制限を加えている。このペースでハワイの観光業が成長し、2030年以前に訪問者数が2千万人に達するとすれば、その時の課題を今から考えてえておく必要がある」と同氏は語った。

(日刊サン 2019.03.23)