2019年1月のハワイ州のホテルの稼働率は、この4年間の1月としては、最低水準にまで低下した。主要な島々の稼働率も押し並べて減少した。
STR社のホテル・レポートによると、1月の州全体のホテル稼働率は、昨年同月比2.8ポイント低下し、79.5%となった。2015年1月の77.5%以来、1月としては最低の稼働率である。カウアイ島の稼働率は、前年同月比7.9ポイント減少し、ハワイ島では6.9ポイント、マウイ島は4.1ポイント、オアフ島は0.5ポイント減少した。
州全域のホテルの一泊宿泊料金は、昨年同月比1%上昇し299ドルとなった。しかし、RevPAR(一日の総宿泊代金を総部屋数で割った数字)は、前年同月から2%減少し238ドルとなり、オアフ島を除くすべての主要な島で減少した。2018年の前半は非常に堅調であったため、今年の落ち込みは際立って見える。ホテル関係者や旅行業者は、状況が好転するのは、4月以降、おそらく夏以降になると予想している。
KV&アソシエイツ・ホスピタリティ・コンサルティングのキース・ビエイラ代表は、昨年発生した多くの問題が後を引いている、と語った。5月に始まり夏まで続いたキラウエア火山の噴火、51日間のホテルストライキ、米国史上最長の連邦政府機関の閉鎖、等である。「追加のマーケティングが必要である。ハワイは値引きなどの競争ではかなわないので、ハワイの付加価値をアピールしなければならない。高額を消費する顧客を狙う必要がある」と同氏は述べた。
プレザント・ホリデイズの社長兼CEOのジャック・リチャーズ氏によると、ハワイはカリブ海のホテルとかなりの競合している。カリブのホテルは、ハリケーンで長い期間閉鎖されたた後、再開特典を掲げ積極的なマーケティングを展開している。しかし、多くのハワイのホテルはリゾート料金を引き上げようとしている。このため、ハワイの業績は下降し、一方カリブ海諸国の業績は前年比50%増であるとのこと。
バケーションレンタルも明らかにホテル市場に影響を及ぼしている。州内の宿泊施設の54%以上を供給しているホテルの部屋数は、2017年から2%以上減少し4万3857ユニットになった。一方、バケレンの部屋数は3%増え1万3082ユニットになり、州の宿泊施設の16%以上のシェアとなり、ホテルに次ぐカテゴリーになった。
1月のハワイ州観光協会理事会で、オアフ島では訪問者数は増加しているのに、ホテルの稼働率は減少していのは、違法なバケレンが一因となっている。バケレンの取り締まりが重要で、それは州の税収を増やす、との指摘があった。州議会でも、違法なバケレンを抑えバケレンから正当な税金を徴収することを目的とした上院1292号法案が審議されている。
(日刊サン 2019.03.09)