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ハワイでの終活vol.3;ハワイのお葬式、気になる費用

ハワイでの終活vol.3

ハワイのお葬式、気になる費用

ハワイの日系コミュニティは日本と同じように高齢化社会で、核家族も増加しています。国際結婚をしているカップルも多く、葬儀・埋葬などに異なる風習を持つ場合もあり、お互いのエンディングを話し合っておくことはより大切です。日刊サンでは「ハワイでの終活」を特集シリーズでお伝えしています。

vol.2の前回は「ハワイのお葬式と、プレプランニング」をお伝えしました。3回目となる今回は、「ハワイのお葬式、気になる費用」について特集します。

 

日本のお葬式、今どきの相場は?

 

-- お葬式についてナビゲートしてくれるのは、ハワイ在住で日本の終活カウンセラーの資格を持つ花水恵美さんです。エミさん、どうぞよろしく!

 はい!よろしくお願いします。日刊サンの1月号と2月号の終活特集の記事を見た方からお問合せをいただいております。先日もハワイにお住まいの方にご相談を受け、バレーオブザテンプルズを見学してお墓とご葬儀プランを購入され「よかった!もうこれで心配ないです!」と笑顔で言っていただけました。本当にその笑顔を見る度にこのお仕事をしていてよかったと思います。

 

-- 嬉しい反響ですね。
 私どもにも嬉しい反響です!
 さて前号はご葬儀について「ハワイのお葬式とプレプランニング」についてお伝えしました。今回は気になるお葬式の費用について日本との比較もしながら考えてみたいと思います。

 

-- 日本消費者協会の2017年の調査によると、日本でのお葬式の費用の平均は195.7万円だそうです。
 日本では約7割の人が葬儀社に、残りは冠婚葬祭の互助会や、農協、生協寺院などに依頼しているようですね。

 

 

-- 「家族葬」などが増えて簡素化の傾向にあるようですが、それでも総額196万円もするんですね! それに日本はお布施や心づけ、戒名のお値段、香典返しなども不透明な部分もあるようですね。
 最近は日本でも見積りを提示する葬儀社のみが葬儀社連盟に加入できるなどと、法律ではないけれども葬儀費用の明瞭会計をするようになってきているようです。日本で終活をされている方は「事前相談」と言って葬儀社から資料を取り寄せる方、または葬儀社に行って場所を確認したり、実際にお棺に入る体験などをしている方が増えているようです。

 

-- ハワイでは?
 ハワイでは日本よりも随分前の1960年代から生前プランを提供しており、生前にお墓やご葬儀プランを購入する習慣があります。またハワイ州法により葬儀社が細かな料金表を提示する義務があるため、2、3社から事前に見積りを取り、サービスの内容や料金の比較をされることをお勧めします。

 

ハワイのお葬式は? プレプランニング(事前準備)が定着

 

-- 日本では通夜→お葬式→火葬→埋葬と、できるだけ短期間で行うことが習慣になっています。ハワイでは?

 ハワイでは斎場や火葬場の数が限られており、日本のように1~2日以内に火葬ができない場合も多いです。また週末などにお葬式をしたい時などは斎場が空くまで数週間待つ場合もあります。またハワイに住んでいる私たちは、亡くなってすぐに行われる日本の親族の通夜とお葬式には駆け付けることが難しいですが、ローカルの方のお葬式は本土や海外からの親戚が集まれる日程なども考慮して、2~3週間後などにされるご遺族も多いです。

 

-- ハワイでは先に火葬をして、お葬式や告別式は遺族のスケジュールに合わせて別に営むわけですね。では、亡くなってから火葬までの流れは?
 日本では病院で亡くなった場合は病室から霊安室へ移され、末期(まつご)の水→湯灌(ゆかん)・清拭(せいしき)→着替え→薄化粧を施し、故人のご安置は自宅もしくは民営の斎場などから選びお通夜を営みます。ハワイでは自宅に帰ることはなく、葬儀社の安置室で火葬されるまで冷蔵でお預かりします。最後のビューイングをされる場合はエンバーミング(ご遺体衛生保全処置)を施し、お葬式までお預かりします。火葬も当霊園内の火葬所で行います。火葬前にご遺族お二人様までに本人確認をしていただき、所要時間は約4時間で火葬に立ち会うことはありません。ハワイでは遺骨ではなく遺灰になりますので、日本のようなお骨を拾う習慣もありません。

 

-- シグネチャーサービスを選択できるというのは?
散骨用などにもお使いいただける遺灰をティーリーフとお花で包む「アフイホウ」、遺灰をクリスタルに入れる「アートフル・アシュ」、肖像画の「メモリアル・ポートレート」など、当霊園ではご用意している11種類あるサービスからお選びいただけます。内容がとても充実したパッケージです。

 

 

ハワイでは火葬も葬儀も年10%アップ、10年後には2倍!?

 

-- 前回のお話しで、葬儀プランが生前に購入できるとは初耳で驚きました。日本から移住している新一世はご存じない方も多いと思います。
 そうなんです。日本ではお葬式を事前に準備しておく習慣は、ごく最近までなかったので、ハワイで生前購入ができることをご存知ない方も多いようです。また「私は散骨するから」「すでにお墓は持っているから」と、火葬も含まれていると誤解して安心されている方が多いです。しかし散骨するにも、お墓に埋葬するにも、まずはお葬式と火葬手続きが必要になります。お葬式をされないと言う方も最近増えているようですが、火葬手続きは必要になります。

 

-- これらのパッケージを事前に購入できるということですね?
 はい、ご葬儀プランは生前に購入することができます。ハワイでは購入したプランの費用の多くがハワイ州規定のトラストファンドに入れることを義務付けられています。そして、その後に料金が上がっても、契約した内容で火葬やお葬式を実施できます。

 

-- ハワイの火葬や葬儀料金は過去の相場をみても年10%程度値上がりしているそうですね。 

はい、そうなんです。お葬儀プランの料金は毎年5~10%ほど値上がりし、2017年から18年は1年間で10%も値上がりしました。物価も不動産も人件費もすべてが値上がりしていますので、ご葬儀費用も今後も確実に高騰することが見込まれます。

 

 

 

 

-- 日本に比べて葬儀費用が低いといっても、教育資金、住宅の購入などのライフイベントと同じく、まとまったお金がかかるので、あらかじめプレプランニング(事前準備)をしていくことが肝要ですね。
 そうです!生前購入した葬儀プランの料金は据え置きで、さらに生前購入ですとディスカウントも適用されますし、2.9%という低い金利で60回までの月賦分割払いもできます。

 

-- 生前購入した場合のみの割引とはどういうことです
か?
 お亡くなりになってからの購入ですと、一切ディスカウントも適用されません。そして、お葬式や火葬などは、料金を全額支払った後でしか実行されません。生前購入をされていない方で、遺産に現金など流動資産がない場合は、ご遺族が一括でお支払いする事になります。また、一人暮らしでご家族がいない方は、生前プランを購入しておけば、亡くなった後の病院からの搬送など葬儀社がやってくれますから、万が一の心配をせずに、安心できると思います。

 

-- 日本人がハワイのお墓や葬儀を事前購入される“リゾート葬”もこれから注目されそうです。
 大自然に抱かれ、明るく穏やかな気候の中で永眠できたら平安な気持ちになれますよね。人生の卒業式を大好きなハワイで行う--。ハワイでウエディングをするように、ハワイでエンディングをする“リゾート葬”、日本からの見学者の方もお迎えしています。日本でも、墓地や墓石は課税対象ではありませんので、残された親族がハワイのお墓を継ぐ際も相続税の対象にはなりません。なので相続税を支払った後にお墓を作るより、生前にお墓を購入した方が節税にもなります。
 終活を始めたばかりの方やもっと詳しくお話を聞きたいという方のために、終活セミナーを開催しますので、ぜひお越しください。

 

(取材・文 奥山夏実)

 

この記事は2019年2月時点の情報に基づいて記載しています。