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建築にかかる期間について

 

増築、改築、新築を問わず、建築はとても時間がかかります。日本のようにはいかないため、もっと早めに計画しておけばという声をよく聞きます。特に新築であれば2年以上かかることはざらにあります。

 

増築、減築、改築では大した差はない

延べ床面積が増えるのか減るのか変わらないのかの違いになるわけですが、アメリカの建築基準法において、それらの建築許可申請のプロセスにあまり差はありません。ゾーニングによっては外観が変わるのかどうかで許可申請が増えることはありますが、それはワイキキ等の特殊な地域に限ります。例え延べ床面積が変わらないとしても、総工費が$1,000を超える場合にはすべて建築許可が必要となり、住宅の場合には3カ月~半年ほどかかり、第三者機関を利用したとしても1~3カ月ほどかかります。

 

新築は時間がかかる

規模に寄らず、新たに建物を一から建てるにはデザインに時間がかかるだけでなく、許可申請にもかなりの時間を要します。ePlanという電子ファイルでの申請しか認められておらず、例年非常に時間がかかっており、申請だけでも一年以上を要することがほとんどです。第三者機関を用いれば、増築の場合とほぼ変わらない期間で許可がおりるため大変お勧め致します。ただ$3,000~$6,000ほどの費用が追加されますので予め予算に組み込んでおくとよいでしょう。もしくは、計画段階から1年以上待つことを前提に心づもりをしていれば、時間はかかりますがそれだけ節約ができるという考え方もありだと思います。許可が降りるのを待っている間に出来る限り貯金をして、好みの家具を揃えたり電化製品を新調したりするのも良いですね。

 

 

コラム筆者:鵜飼 高生 Takao Ugai

建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)  Focus Design Studio 代表取締役

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士。

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(日刊サン 2018.07.04)