2018年に減少していたハワイの破産申請件数が1月に大きく増加した。米国破産裁判所ハワイ支部の最新のデータによると、1月の申請件数は、43.3パーセント急増し149件となり、この7年間の単月としての最高記録となった。
経済成長の鈍化の兆しを見せてきたハワイ経済であったが、7年連続の破産申請件数の減少が2018年に終わりを告げた。2018年の年間申請件数が、2015年の1,569件以来3年ぶりに最高水準となり、前年より1,490件に急増した。「1990年からの28年間のハワイでの破産申請件数の推移を見ると、8年周期を持っていることが分かる。現在がこの8年周期の境目にあたる。そして、今後数年間、破産申請件数は著しく増加するはずである」とホノルルの破産弁護士、ブレイク・グッドマン氏は述べた。この周期の唯一の例外は破産法の変更に先立って多数の申請がなされた2005年で、その後の2年間は申請件数が大きく落ち込んだとのこと。
本土の経済が悪化し始めれば、ハワイの不動産価格は下がり、失業率は上昇し、観光業も下落傾向をたどる、と同氏は予測している。「90年代後半に日本のバブルがはじけた時にハワイも影響を受けたが、今回は中国のバブルの崩壊が原因となるであろう。ハワイでの中国人の観光支出は減少し、ここ2-3年に建設された13棟の高層ビルへの中国人の投資は先細っていくと考えられる」と同氏は述べた。
破産申請の詳細な数字は下記である。
1月の破産申請件数
第7章申請:清算
2019年:103 件
2018年:64 件
増減:60.9%
第11章申請:事業再編
2019年:1件
2018年:0 件
増減: –
第13章申請:一定の収入源を持つ個人向けの分割払いによる支払延期
2019年:45件
2018年:40 件
増減:12.5%
合計
2019年:149 件
2018年:104件
増減:43.3%
出典:米破産裁判所ハワイ支部
第11章申請の1件は、ボブズ・ビッグ・ベアー・レストランを運営するディリンガム・レストラン社の事業再編を伴う申請である。
群別の申請件数は、4つの郡のうち3つの郡で増加し、1つの郡では横ばいであった。ホノルル郡では、申請件数は81件から107件、ハワイ郡では5件から16件に、カウアイ郡では3件から11件とほぼ4倍に、増加した。マウイ郡での申請は、15件と横ばいであった。
(日刊サン 2019.02.23)