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ハワイ不動産ニュース:オアフ島住宅販売、9年ぶりに減少

ホノルル不動産業者協会が2月6日に発表したデータによると、昨年のオアフ島の住宅市場の低迷は2019年に持ち越され、少し悪化した。7年間続いた価格上昇が転換期を迎えている可能性を示唆している。

1月のオアフ島の中古住宅の販売戸数、中間価格は一戸建て及びコンドミニアムともに減少した。販売価格・戸数の同時減少は、2010年の不況以来初めてである。一戸建て住宅価格の中間価格はわずかに減少し、昨年同月の77万2千ドルから0.6%減少して76万7千5百ドルとなった。

コンドミニアムの中間価格は、前年同期の43万ドル(当時の高値記録)から7.2%下がり39万9千ドルとなった。12月の中間価格の39万8千5百ドルとほぼ横ばいであった。今後数ヶ月の中間価格の動きが、これまでのオアフ島の住宅価格の緩やかな上昇に変化が表れているのかを見極める判断材料になるであろう。

 

地元の不動産会社ロケーションズ社CEOのスコット・ヒガシ氏は「不動産市場の評価には、月のデータだけでなく、長期的視点から見る必要がある。1月までの12か月間の中間価格は「安定」している」と述べた。中間価格とは、成約された全ての不動産を価格の高いものから低い順に並べ、その中間の位置にあたる物件の価格である。

 

ホクア・ハワイ・リアルティー社のエージェントでホノルル不動産業者協会会長のジェニー・ブレイディー氏は「市場は、買い手と売り手両方にとって均衡のとれた状態に向かっている」とコメントした。ハワイ大学のエコノミストは9月、オアフの今年の中間価格は、一戸建て住宅で2.3%、コンドで3.9%上昇すると予測していた。

 

価格を軟化させる要因には、需要の減少や供給の増加などがあるが、ここ数カ月間需要は減り、供給は増えている。1月の一戸建て住宅販売数は、前年同月の252戸から2.4%減少し、246戸となった。コンドの販売数は、前年同月の374から12.8%減少し326となった。昨年までは、住宅販売戸数は3年連続で上昇していた。供給面では、昨年の在庫数は前年を上回り、昨年末から住宅が販売に出され売却されるまでの日数が長くなっている。

1月には、519戸の一戸建て住宅と867戸のコンドが市場に出たため、在庫数が急増した。12月の在庫減少と1月の在庫上昇は、典型的な季節的要因である。しかし、426戸の一戸建ての住宅と730戸のコンドが上市された昨年1月と比べると、今年1月の在庫は大幅に増えている。

住宅販売数の減少の理由の一つには、住宅ローン金利の上昇も挙げられる。最近の30年固定金利の平均は4.5%前後で、昨年の5%近くから低下しているが、2016年の3.5%、2017年の4%からは大きく上昇している。

(日刊サン 2019.02.16)