1世帯と2世帯住宅の建築認可の処理スピードを上げるための法案が11月14日のホノルル市議会で可決された。この64号法案は、市企画・認可証発行局(DPP)は1世帯と2世帯住宅の建設認可を申請書受領から60日以内に処理することを求めている。 膨れ上がっている認可遅延に対する苦情が、市議会マーティン議長が起案したこの法案の成立を後押しした。建設業者、請負業者、エンジニア、設計業者は、認可の遅れが効率的な住宅建設を難しくし、契約解除、損失、さらには失業を招くことがある、と警告していた。 認可証取得には1年以上かかるのが通常で、建設認可証なしに工事を開始するのは当たり前になっている。 ハワイ建築業協会のマローンCEOは、迅速な認可のため審査プロセスは一度限りとなるので、この法案は認可の迅速化に寄与する。一方、一回の審査で申請が認可されるためには、時間のかかるやり取りを省き、住宅所有者はDPPの決定に完全に従うことが必要条件となる、と述べた。
また、建設会社の社長の一人は、60日間の期限は合理的であり、他の市では60日間よりももっと短い時間で処理されていると述べた。しかし、DPP関係者は、人員が不足しており、申請書を検証する人手が足りないと主張している。DPP局長代理のソクガワ氏は、一戸建て住宅の建築許可を早めれば、高層コンドミニアム・タワーを含む他のプロジェクトの認可遅延に繋がる、と述べた。 一戸建て住宅の建設認可を早める場合、建築基準が遵守されているかの判断を建設段階での検査に依存することになり、DPPが最優先している安全衛生基準審査を緩和せざるをえなくなり、建物使用認可証の発行遅延に繋がりかねない、と同氏は語った。 しかし、マーティン議長は、「結局、最後の段階の建物使用認可証の発行遅延につながる可能性がある。それでも、多くの人々は64号法案の可決を望んでいると思う。この法案を進めなければ、何もしないことになるのだから」と述べた。 市議会は、DPPの問題をより深く検討するための特別委員会を設置した。「公衆衛生と安全を確保しながら、どのように手続きの迅速化が図れるか」を検討する予定である。 コールドウェル市長は、法案に署名するか、拒否するかを10営業日以内に決定する。しかし、11月14日の市議会の議決は9-0の満場一致であったため、市長が拒否権を発動したとしても市議会の決定が覆される可能性は低い。
(日刊サン 2018.11.24)