9月のマスター・ソムリエ試験で不正が行われ、ホノルルのクリス・ラメルブ氏を含む23人がマスター・ソムリエ資格を剥奪された。 マスター・ソムリエ協会の理事会は、10月9日の声明で、2018年マスター・ソムリエ試験のワイン・テイスティングの部の結果を無効にすると発表した。あるマスター・ソムリエが、テイスティングされるワインに関する情報を事前に漏らしていた「明らかな証拠が見つかった」ためである。 理事会はそのマスター・ソムリエの名前や、54人の受験者との関係を明らかにしていない。 マスター・ソムリエは、ワイン専門家の最高レベルで、その取得には何年にもわたる勉学と995ドルの受験料を含む高額の投資が必要である。1969年に試験が開始されて以来、合格者は世界中でわずか273人である。ラメルブ氏はハワイで4人目の認定取得者だった。「試験プロセスの完全性を維持することが最優先で、マスター・ソムリエの価値と威厳が損なわれないようにしなければならない。マスター・ソムリエの資格は、世界中で認められた、ワイン業界の専門家の中で最も高い資格である。手を抜いた試験ではその保証は得られない」と、デボン・ブロルリー会長は述べた。 ラメルブ氏は、マスター・ソムリエ協会主催のソムリエ予備試験を管理する5人のマスター・ソムリエの1人である。 本試験には、理論、ワイン・サービス、6つの銘柄のワインのブラインド・テイスティング(名前、ヴィンテージ、原産地を当てる)の3つのパートがある。 9月にセント・ルイスで行われたこのブラインド・テイスティングの部分が無効になった。協会は、無効になったこの試験部分の受験料を払い戻し、再試験の受験料を免除し、旅行費用を負担する、と発表した。再試験は、本年末及び2019年春か初夏に行われる。
(日刊サン 2018.10.18)