ヒューストンに本拠を置くマットレス・ファーム社(MF)は、デラウェア州連邦裁判所で連邦破産法第11章を申請した。急速な店舗拡大が店舗間の「カニバリゼーション(共食い)」を引き起こした為、事業再編計画の一環として全国の店舗の内最大700店を閉鎖する予定であるとコメントした。 裁判所に提出された閉鎖予定の200店舗にハワイの店舗は含まれていない。 同社は、全米に3,200以上の店舗と9,800名以上の従業員を擁しており、近年急速に店舗数を拡大してきた。 前経営陣が競合他社から買収した1,300以上の店舗をMFに最ブランド化する際に誤算を行い、「この買収により、以前はカバーしていなかった市場に進出はしたものの、近隣の店舗間の食い合いが起こり、売上が減少した」と同社は裁判所文書において主張している。 負債額は10億ドル以上で、債権者は5万社を超え、最大の債権者のシモンズ・マニュファクチャリング社(本社アトランタ)は6,500万ドル近い債権を持つ。 MF社のCEO兼社長のスタグナー氏は、同社の破産申請は「バランスシートを強化する」もので、再編計画は「顧客に大きな価値をもたらし、新しい市場に新しい店舗を開き、最も重要な既存市場での戦略的拡大につながる」と述べている。 同社は1986年に設立され、売上高は30億ドルを超えている。2018年度には約1億5,000万ドルの損失を予想している。 同社は2016年、南アフリカの小売業スタインホフ・インターナショナル・ホールディング社に38億ドルで買収されたが、スタインホフ社は、財務内容を税務当局に調査されていると報道され株価が大幅に下落し、財務問題に振り回されてきた。 「過去数年間はMF社にとって厳しいものであった。店舗数が過剰で、業界の競争に曝され、親会社が会計スキャンダルに揺さぶられた。しかし今は、破産問題を早急に解決し、新しく資金調達し再編を進めることだ」と破産法専門のローエンタール弁護士は語った。
(日刊サン 2018.10.13)