2018年のハワイへの訪問者数が1000万人に近づくにつれ、ハワイの空港、港湾、宿泊施設の収容能力が観光業界の業績に影響を与え始めている。 航空業界は、依然として訪問者数増加のキーであるが、宿泊や空港の収容能力を管理するデスティネーション・マネージメントが重要である、とAPAコンサルティング社のディ・フィオーレ専務は世界観光業サミット(9月24-26日コンベンション・センター)で演説した。 「ハワイには世界中の需要が集まり、航空会社は宿泊施設に訪問客を運び、宿泊業者は航空会社の客のニーズを満たしている。空港施設の収容能力も観光業の成長に影響を与える」と同氏は語った。 同氏は、宿泊施設が航空機利用客のニーズを満たせなければ、宿泊施設を併設しているクルーズ船が観光客数維持のキーになるかもしれない、と述べた。一方、アクセス・クルーズ社のマッキー社長は、港湾収容能力つまり港湾インフラがキーで、ハワイが世界クルーズ市場(400億ドル規模)でどのくらいのシェアを獲得するかにかかっている、と語った。 ハワイのクルーズ船乗客日数は、今年7%増え114万に、来年は11%増え130万近くになると予想されている。 ハワイの航空業界の見通しも依然として堅調で、今年の航空席数は2017年より785,000席増加。北米からの航空席数は15%近く、オーストラリアからは1%未満、アジアからは3%近く増加する見込みである。ハワイ州にとって重要な市場である日本は、緩やかな成長を見せているが強いポテンシャルがある。 ディ・フィオーレ氏によると、石油価格の高騰とドルの強さが、航空業界の重荷になる可能性があるが、2019年は「転換期になる」と予想し懸念していない。 サウスウエスト航空が2019年初頭にハワイ就航開始を予定し、ハワイアン航空は、4月にボストン直行便を就航させる。デルタ航空は、6月にデトロイト便を週3-5便就航させる。今年の勢いは来年に継続される見通しである。 日本航路では、日本航空とハワイアン航空の合弁会社及び全日本空輸がA380機3機を2019年に就航させる。 技術革新も、ハワイ航空産業の成長を促す可能性がある。B787とA350の就航は、国際市場の拡大につながり、A320ネオとB737MAX機の就航は、短距離サービスの拡大につながるであろうと、同氏は述べた。
(日刊サン 2018.10.13)