ハワイの夏の風物詩“盆ダンス”、今週末あたりがいよいよフィナーレだ。日中の蒸し暑さが一段落する夕暮れ、家族や友人のグループがお目当の盆ダンス会場に集まってくる。提灯が張られ、櫓が組まれた会場に、輪のように人垣ができ始める。慣れた人はデッキチェアを持ち込んで場所取りをする。いでたちは浴衣姿にビーサン、盆ダンスクラブお揃いのハッピコート、女物のキモノを羽織った男性も! 会場で手作りのハッピコートや古着のキモノなども売っているから、その場で調達する人もいる。もちろん、Tシャツのまま盆ダンスを踊る人もウエルカム。
有志がBBQやかき氷、アンダギーなどを作って売っているから、食べたり飲んだりも楽しみの一つだ。提灯に灯りがともる頃、少し涼しくなった風を感じながら盆ダンスはスタートする。 写真は8月17日に行われた、浄土宗ハワイ盆ダンス(Jodo Mission of Hawaii)。 地蔵盆の祈祷会ののち、ハワイで活躍する和太鼓集団“ドラゴンビート”の迫力の揃い打ちで、盆ダンスは幕開け。ソーラン節や東京音頭、ドラえもんやちびまる子ちゃんのメロディなどに乗って、老若男女が踊る、踊る! 途中からハワイ沖縄連合会の盆ダンスクラブが加わり、太鼓や三線を生演奏しながらエイサー踊りを繰り広げ、賑やかに楽しげに踊りの輪が広がった。ハワイは今年、日系移民150周年の節目を迎えているが、盆ダンスも日系一世らがハワイのプランテーションで働いていた農場などで始まった。移民の先人は出身地ごとに集団で働いていたため、お盆の時期、故郷を懐かしんで民謡を歌い、先祖を偲んで供養したという。今ではハワイ文化にすっかり定着して、日系人に限らず、さまざまな出身国の人が盆ダンスを楽しんでいる。ホノルル周辺では8月25日、以下の場所で盆ダンスが開催される予定だ。
(日刊サン 2018.08.24)
(取材・文 奥山夏実)
■カパフルセンター/Kapahulu Center 3410 Campbell Ave TEL 737-1748 フードブースや子どもアクティビティは16時から、盆ダンスは18時から
■日蓮宗ハワイ別院/Nichiren Mission of Hawaii 33 Pulelehua Way, Nuuanu TEL 595-3517 フードブースは16時から、盆ダンスは18時から
■アイエア本願寺/Aiea Hongwanji 99-186 Puakala St TEL 487-2626 フードブースは18時から、盆ダンスは19時から
(日刊サン 2018.08.24)