市議会委員会が25日、ホノルル市の歩道上の寝泊まりや私有物の放置を禁止する2法案について採決を延期した。 公共事業・インフラ・持続可能性委員会の委員長であるキャロル・フクナガ議員は、市の法律顧問や市長政権から法案に関するさらなる回答を得るため採決の延期を要求すると述べた。 この法案については、ホームレスの言論団体や市議会議員から憲法上の問題を解決できるのか疑問視されていた。 2つの法案は、ビジネスゾーンに限って寝泊まりを禁止するが、島内一律の禁止法案は違憲だとしてきたこれまでの市長政権の方針を、大きく転換させた内容となっている。 法案51号では市の歩道上で午前6時から午後10時の間に障害物を置く、または通行を妨げた場合に最大100ドルの罰金を貸す。 法案52号では、歩道上や公共エリアでの寝泊まりを終日禁止している。市の管理ディレクター、ロイ・アメミヤ氏はホノルルには歩道が占拠された状態が多く発生しており、歩行者は歩道を避けて道路に飛び出さないといけないと話す。 議会ではワイアナエやチャイナタウン、ワイキキの住民から法案を支持する証言もある。ワイアナエ住民のタム・リーフさんは「この7~8カ月でホームレスが爆発的に急増しています。マカハのポカイ・ベイはごみやドラッグ、暴力行為が蔓延し住民が近づけなくなっています」と述べた。 アメリカ自由人権協会ハワイ支部の法律ディレクター、マテオ・カバレロ氏はハワイ州が多くのホームレスを抱える理由は生活コストの高さと低価格住宅の不足であると語る。 「委員会はホームレスが増える原因と効果的ではない市の対策について検討を重ねるべきです。これまでの実績を見れば、貧困を取り締る行為がいかに破壊的で逆効果であるかは明らかです」と同氏。 法案52号は利用可能なシェルターがない限り、違法行為を摘発できないとされているが、51号には規定されていない。カバレロ氏によれば、オアフ島にはシェルターを利用していないホームレスが2145人いると見込まれており、彼ら全員を収容する態勢は整っていないという。
(日刊サン 2018.08.04)