市議会は6日、オアフ島内のUberやLyftを含む配車サービス企業のピーク・タイムの料金に上限を設定する法案を6対3で可決した。この法案35号が法令化されれば、全米で初めて配車サービスの料金に上限を設定する法律となる。
UberやLyftはピーク・クタイムに料金が急騰するシステムは、需要が高い時間に対応するドライバーを増加させる両社のビジネスモデルの核となる要素だと主張した。しかし両社は35号が制定されればホノルルでの営業を停止するとは断言しなかった。
Uberハワイのマネージャーは、だれも急騰システムについて市に苦情を申し立てていないとし、法令化は不要だと話す。「この法案が制定されれば革新性や消費者の選択肢を制限し、オアフ島における当社サービスの提供の存続が危ぶまれます」と加えた。Lyftは法令化された場合でも市当局と協力するという姿勢を示した。 法案の支持者やタクシー会社等は、規制の原則化で公共の安全性を高め、配車サービス企業による法外な料金請求を防ぐと主張している。また、配車サービス企業がタクシー会社と同等の規制の下で営業するべきだと訴えている。
市議会は可決したが、この法案が法令化するかは不確かだ。カーク・コールドウェル市長や消費者サービス局は最大料金の設定に反対で、自由市場に委ねるべきだという立場を取っている。拒否権を発動するか署名せずに法令化を許可するかを決める猶予として、市長には10日ほど与えられている。市議会の6名以上が可決していれば拒否権を無効にすることが可能だが実行するかは不明。
法令化された場合でも最大料金が必ず設定されるとは限らない。法案では、消費者サービス局ディレクターだけが配車サービスの最大料金の設定ができるとだけ定められており、上限額を決定する指標は示されていない。消費者サービス局ディレクター代理のランディ・レオン氏は、専門家を招集し上限額の決定に適したガイドラインを定める必要があると話す。「私達は現段階でこの分野の知識は全くありません。法令化されればルールの設定を進めます」と加えた。
(日刊サン 2018.06.16)