ハワイ先住民住宅土地局(DHHL)は、権利者への住宅提供のためモイリイリのボウリング場の再開発を検討を始めた。再開発提案の公募する準備をしている。
州が先週公表した文書によると、DHHLはかつてスタジアム・ボウル・オー・ドロームだった1.9エーカーの空き地の開発提案を民間開発業者から公募する予定。DHHLが設立されてからの16年間で、ネイティブ・ハワイアンへの住宅提供を視野にこの土地の有効活用に着手するのは3度目となる。DHHLが公表した環境評価書作成通知によると、開発提案書の公募を行い上位の3~4社の提案を環境評価書草案に盛り込むという。計画の方針を決める参考とするため、パブリック・コメントも受け付ける。
商業施設や住宅施設、またはそのどちらも含む複合施設が検討されている。通知書には「このプロジェクトの目的はハワイ住宅土地信託の権利者の住宅の需要に応えることです。また副次的な目的として、DHHLの収入増加も含まれます」と述べられていた。DHHLによると、賃貸住宅入居希望者のおよそ45%はオアフ島の住居を望んでいるが、機関が所有する土地のうちオアフ島にあるのはわずか4%だという。計画を選考し環境評価の過程に1~2年を要すると見込まれており、さらに権利者や周囲のコミュニティとの協議プロセスが加わる。DHHLは1995年に州と締結した土地使用合意の一部として、モイリイリの土地を取得。当初は1955年に建てられていたボウリング場の地主として運営を行っていた。アロハ・スタジアムより前に存在していたホノルルのスポーツスタジアム『モイリイリ・スタジアム』の隣にあったため、スタジアム・ボウルと名付けられた。このスタジアムは1976年に撤去され公園に替わっている。ボウリング場は1999年の大みそかまで営業。
2000年半ばから2004年半ばにも一時的に営業を再開した。DHHLはこの土地を65年間リースし商業施設とする狙いで2002年に開発提案を募集。ダウン・トゥー・アース・ナチュラル・フーズをはじめ自動車販売店、倉庫施設、ネイティブ・ハワイアン医療研究施設が名乗りを上げたが、いずれの開発案も採用されなかった。2006年にも開発提案を募ったが、やはり開発実施には至らなかった。その後しばらく間を空けDHHLは土地をレッカー車の企業にリースしたが、昨年早々にこの企業が移転。DHHLが2014年に発表した長期計画では、ボウリング場跡地を2~10階建てで地上階に商業施設、最大126戸の住宅を含む建物にする構想が掲げられていた。
(日刊サン 2018.05.30)