(U.S. Geological Survey)
キラウエア火山で16日、地震に続いて山頂のクレーターから火山灰とガスが噴出し、カウとパホアで降灰が確認された。 アメリカ国立気象局は16日午前8時33分に降灰警報を一旦解除したが、午後に再度発令。ハワイ島に少量の降灰が続くことが予想され、ハワイ島南部や東部にガスの影響が発生する可能性があると伝えた。運輸局の広報担当によると午前11時31分にハワイ火山国立公園入口近くのハイウェイ11号線に小さな亀裂が発生。亀裂の箇所は28~29マイル付近で、安全に問題は無いとされ道路は閉鎖されなかった。亀裂を埋める修復作業が予定されている。午前8時30分山頂付近で起きた地震は震度4.4で、その後の15分で震度4弱の地震が3度続いた。
合衆国地質調査所の地質学者によれば、山頂付近の地下に滞留していたマグマが25マイル離れたイースト・リフト・ゾーンへ流入したことが地震の原因とみられている。マグマが移動したことでクレーターの底面は3フィート下降し、地表が割れ地震を発生させた。ハレマウマウ・クレーターでもマグマが地下水面まで達し、溶岩脈に水が流れ込み爆発や蒸気の噴出が発生する恐れがあるため、ハワイ火山国立公園は閉園が続いている。溶岩脈が落下した岩石等で塞がれる事態が発生した場合には、1924年の噴火と同様の大規模な爆発を呼ぶ可能性がある。16日朝には、ハレマウマウから数百ヤード離れた駐車場に、噴火によって2フィート大の岩石が落下していたことが確認された。精力的な活動は今後も続くとみられ、USGSハワイ火山観測所から職員25名は退避し、ヒロのハワイ大学内で業務にあたっている。デービッド・イゲ知事はマティス国防長官に、噴火時の共同総合任務部隊長としてケネス・ハラ准将の就任を要請。16日に承認された。ハラ氏はハワイ陸軍州兵と州軍、活動中の軍部隊の指揮が可能となり、今後噴火によって集団避難が必要になった場合に作戦を統括する立場を取る。
(日刊サン 2018.5.26)