連邦漁業当局は、ハワイ州の主要の島々で絶滅が危惧されているハワイアンモンクシールの数を倍以上に増やしたいと考えている。
国立海洋漁業サービスは11日火曜日、ハワイ州の主要な島々に約200頭いる絶滅危惧種のハワイアンモンクシール管理計画の草案を提出した。
ハワイアンモンクシールは、合計で約1,100頭いるが、ほとんどが無人島の北西ハワイ諸島に生息している。ハワイアンモンクシールは、1976年に米国絶滅危惧種に指定された。
ハワイアンモンクシール・リカバリー・コーディネーターであるレイチェル・スプレイグ氏は、ハワイの主要の島々のモンクシールの数は増えているが、全体の数は減少し続けていると述べた。
「ハワイの主要の島々に生息するモンクシールは、モンクシール個体総数のうちのほんの一部にすぎません。もし気候が変化したり、海洋レベルが上昇したり、伝染病にかかったりした場合、この少数のモンクシールは壊滅状態となってしまいます。多くの積極的介入を試みることを考えるよりも、回復したと考えられるレベルになるまで、モンクシールの数を増やせるようにもっと環境作りに専念しようと思います」と語った。
この計画の優先目標の一つは、モンクシールが自然に繁殖し餌を食べられるように十分な海岸線と海洋生物生息地を用意することによって、500頭以上のモンクシールの維持、もしくは増え続けるようにすることである。
米国海洋大気庁は、マネージメントプランの実施を妨げる主な要因は、人間によるものだという。人間とそのペットが、モンクシールの病気を拡大する可能性があり、モンクシールが捕まえられたり、もしくは釣り糸にからまったり、または故意に殺されることもありえるとしている。
米国海洋大気庁の科学者たちは最近絶滅危惧種のハワイアンモンクシールを救助し、腹部から釣り針を取り除いた。
12歳の雄のモンクシールは2014年12月に口から釣り糸を出している状態で発見された。内視鏡検査で腹部内に釣り針が埋め込まれていたことが判明し、獣医師たちが大晦日に釣り糸と針を取り除いた後、野生に戻された。
マネージメントプランでは数を増やすための6つの戦略がある。その中には怪我や病気をしたモンクシールの識別、教育・普及プログラム、漁師たちとの良好なコミュニケーションの構築が含まれている。この計画はまた、より効果的なコミュティーマネージメントやボランティアの参加を必要とする。
スプレイグ氏は、モンクシールは、多様な食餌をとる捕食動物のトップである「万能動物」として、生態系においてサメと似た役割をしているが、絶滅した場合生態系にどのような影響を与えるかを完全に予測するのは難しいと述べた。
「本当に全てが相互に関わりあっているのです」と彼女は言い、「私たちが何をきっかけになって全てが崩壊するのか十分にわかっていないのです。全てはどんどん不安定になっていき、そのために多くの種を失っています」
職員は30日間草案を一般公開し、批評やコメントを募る。