ホノルル市議会は24日、約150の高層コンドミニアムに自動スプリンクラーシステムの設置を求める法案を可決したが、設置が必須とはならない内容だった。
法案69号の最終案では、資格のある建築家やエンジニアが火災避難計画書を申請しホノルル消防局の許可を得た場合には廊下や個々のユニットにスプリンクラーを設置しなくても良いとされた。また消防局長補佐は、スプリンクラーを設置しない場合、金銭を負担し他の方法で安全性を改善して消防局の許可を得ることもできると述べた。義務化までには至らず、火災避難計画書にも猶予議会では8対1で法案は可決。設置を必須とするべきだとの立場を取ったイカイカ・アンダーソン議員だけが反対票を投じた。最終案を作成したキャロル・フクナガ議員は、設置にかかる経済的負担に配慮したとし「それぞれの建物が抱えている状況は様々です。1つの解決策が全てに当てはまるとは限りません」と述べた。
州と市は設置に関して負担を軽減する策を用意しているが、十分ではないとも加えた。この法案が初めて提出されたのは昨年の7月18日で4人が死亡したマルコ・ポーロ火災の直後。消防局はスプリンクラーが設置されていれば被害が少なかったと述べたが、スプリンクラー設置の義務化にはその経済的負担にコンドミニアムのオーナーから反対の声が上がった。消防局によると設置費用は、各ユニットを含む建物全体に設置した場合は8000~2万2000ドル、共用スペースにのみ設置する場合で5000~1万ドル。1975年以前に建てられ、スプリンクラーが設置されていないコンドミニアムは、368棟、およそ3万8000戸以上あると見られている。消防局長補佐によると、スプリンクラーを設置しない場合に消防局から火災避難計画書を許可されるには防火ドアの設置が必要で、その費用はスプリンクラーより高いという。法案が市長にサインされれば、建物のオーナーには火災避難計画書の申請までに3年、必要な改善措置の完了までに6年の猶予が与えられる。
(日刊サン 2018.05.05)