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役立つ建築情報 No. 69 【エコ建築は高額になるのか カカアコのKeauhou Laneについて】

Bynikkansan

5月 2, 2018

4月27日にカカアコに新たにオープンしたオーガニックスーパーのDown to Earthについてご存知の方も多いかと思います。Keauhou Laneというコンドミニアムの1階に位置しているのですが、今回はそのKeauhou Laneについてご紹介します。

 

中低所得者向け賃貸物件  

Keauhou Laneはホノルルの平均所得を下回る世帯のみが賃貸する権利を得ることが出来る少し特殊な物件となっています。ホノルルの地価高騰により、あらゆる所得層が住まいを確保できるように制定されたプログラムです。SALT等、徒歩圏内にたくさんの商業施設があり、今後のカカアコ地区の発展を考えてもとても良い物件であると思います。

 

コンドミニアムではオアフ島初のLEEDプラチナ

Keauhou Laneはオアフ島のコンドミニアムで初めて、環境に配慮した建物に与えられる認証システムLEEDの最高評価であるプラチナを授与されました。一般的にエコ建築というと、工費も高くラグジュアリーなイメージになりがちですが、今回のような中低所得者向けの賃貸物件で認証されたことにより、イメージ改革にも繋がりとても素晴らしいことだと思います。ちなみに、同じくカカアコ地区でHoward Hughes Corportaionの開発でもLEEDプラチナを授与されましたが、これは近隣開発(Neighborhood Development)についてであり、今回の認定は建物そのものに授与されたもので、どちらも素晴らしいことですが少し異なります。

 

エコ建築はランニングコストを下げられる

 エコ建築にする方法は多数あります。施工費が高くなるようなものが正直多いのですが、運営費(ランニングコスト)が下がるものばかりです。身近な例ですと、白熱電球とLED電球はわかりやすいです。白熱電球はLEDよりとても安く買うことができますが、寿命が短く、電気代も多くかかります。10年スパンで計算してみるとLEDの方がはるかにお得なのは明らかです。同じような考えでソーラーパネルを大量に屋根に設置したり、雨水を溜め込み、フィルターを通してキレイにして再利用するシステムを導入する等すれば、地球に優しいだけでなく、光熱費も飛躍的に下げることができます。Keauhou Laneでは、上記の事柄はもちろんのこと、植栽についてもハワイ産の植物を植えることで必要最小限の水やりで育つようにしたりと細部にまで工夫が施されています。ご自宅でも新築・改築される際には、お得にエコなことができないか建築士と相談することをお勧めします。

 

(日刊サン 2018.05.02)

 

 

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鵜飼 高生

Takao Ugai 建築士・AIA・LEED AP・博士(建築)・家庭塾長 Focus Labo LLC 代表取締役 Email: [email protected]

明治大学建築学科卒業後、ハワイ大学マノア校で建築の博士号を取得。日米両国での建築設計実務経験がある、経験豊富なハワイ州登録建築士